2022.03.12 札沼線
この日、道内の在来線で20年ぶりとなる新駅、ロイズタウン駅が開業した。それを記念して、札沼線(学園都市線)では極めて異例となる臨時列車が運転された。車両はキハ261系ラベンダー編成。札沼線史上とても珍しい、特急車両の入線である。こういうイベントに行くのはあまり気が進まないが、行かない後悔の方が勝る気がしてしまい、土曜日にもかかわらず早く起きてしまった。
といっても札沼線の撮影地はそれほど多く知らない。編成だけ撮ってもなんの意味もないので、少しでも札沼線らしい場所をと考えると、おのずと石狩川橋梁周辺にポイントは絞られた。同様の考えの諸氏は多いようで、国道の跨線橋にはずらりとごついカメラと、示し合わせたように黒い上着の男たちが並んでいた。先行の車両も721系でちょうどよく撮影し、迎えた本命。この日専用の絵幕を掲げた特急車両が、札沼線の線路を駆け抜けていった。
天候は悪くないが、とても風が強い日だった。雲の流れも早く、俯瞰するには猫の目天気。とはいえ、せっかくの一大イベント。札沼線を走るラベンダー編成を表現するには山に登るしかないと、大倉山の展望台に三脚を据えた。目論見通り、眼下に広がる札幌市街の一角には、札沼線の高架区間がドンピシャで抜ける。画面の奥にラベンダー編成を捉えてから、直線を走る姿を眺めること5分。カーブを曲がる紫の車体を切り取った。