2022.04.05 名鉄蒲郡線①
その気持ちを表に出すことはあまりなくても、つい気にかけてしまう路線、名鉄。いつもなんとなく行きたいとは思っていても、つい空港から名駅まで乗るだけで終わってしまいがち。しかし今回は違った。往年のエースラッピング・白帯が6000系に巻かれるというのだ。当該はワンマン対応の6011F。主戦場は風光明媚な蒲郡線。役者と舞台は完璧。これは行くしかない。桜の時期めがけて行ける唯一の休みを利用して、仕事帰り強引に中部空港へと飛んだ。
車で夜を明かし、雲ひとつない空に向けガッツポーズした。桑畑山の道路に向かうと、眼下には日の出と朝もやが織りなす幻想的な景色が広がっていた。始発の蒲郡行きには狙いの白帯車が充当。桜が点在する山をあしらえ、三河湾沿いを走る列車を切り取る。そのままウキウキ気分で山を下り、幡豆港近くの路地にカメラを構える。漁港らしい雰囲気に映える白帯。低いガードがたまらない。
西浦の漁港近くからは線路を見通せることができると聞いてやってきた。すごく見通せるわけではないのだが、太陽を浴びた赤い車両はとにかく映える。海も空も見事な青で来た甲斐があるというものだ。続いては有名お立ち台のこどもの国・ゆうひヶ丘展望台へと向かった。いわゆる定番スポットは完全な逆光なので、足元の桜を入れて箱庭風に白帯を切り取った。まるで模型の景色みたいだ。
こどもの国には東側を見通せるスポットもある。ちょうど見えるのは東幡豆駅。平日の午前8時19分、おそらく一日一回のみの東幡豆駅での列車交換の時間である。狙い通り蒲郡行は白帯車。駅の到着から離合待ち、そして発車していくさまを一連で切り取ることができる。どこまでズームするかが悩みどころだが、この天気ならどう撮っても及第点だろう。
朝イチに撮った路地からも近い、幡豆港はずれの波止場。ここも線路が少し高台にあるために列車を見ることができる。空を見上げると、山に点々と桜がある蒲郡線沿線の春らしさが嬉しくなる。さらに言えば、駅にも桜が植えてあることが多いのも重ねてありがたい。東幡豆駅もそうだが、訪れたのは西浦駅。本来なら吉良吉田行と撮るべきだが、横着して蒲郡行で妥協。桜が綺麗だから良いのだが、構図取りはなんかこうじゃなかった気がする。
俯瞰や遠くからばかり狙っているので、そろそろ接近戦をしておかないといけない気がした。踏切狙いで形原駅に来てみたものの、絶賛道路工事中で撮れる状況にない。スポットを変える時間もなく、青空なのをいいことに広めの面縦で勝負。このクイッとカーブも良いが、ホームのカーブもいい感じ。白帯強調の側面と、去り際の末端区間感も頂戴した。見たことはないが、きっと7700系を彷彿とさせるのだろう。見たことないのでわからないけど。