2022.02.26 根室本線
釧路で一泊し、翌日も少し撮ってから札幌に戻ることにした。天気は文句なしの快晴。さすが冬の道東、信頼がおける。今回は車がなく、歩いて撮影地まで向かうことになる。ほどよい寒さが心地よい朝だった。
2021年夏、工業都市釧路を支えた日本製紙の工場から灯が消えた。まだその煙突は残るが、もう煙を吐き出すことはない。そこに彩りを添えるのが、3月に特急おおぞらから引退する283系と、こちらも釧路地区から置き換えられるキハ40系。見慣れた景色は着々と変わっていく。釧路らしい場所で撮影できたのは僥倖だった。
釧路駅に戻ってきた。3番線には標茶へと向かうSL冬の湿原号が発車を待っていた。しかし今年はSLの部品が壊れたため、原色DE10が牽引車となっていた。個人的にはこちらの方が見るには好きである。ホームには多くの同業者の姿が見えるものの、先頭がホーム端よりも前にある気がする。どんな画が撮れるのだろうか……。
午前11時前に札幌からのおおぞら1号が到着した。完全に駅の影に入ってしまい写真では映えないのが残念だが、湿原号はこの乗り継ぎを待って発車する手筈になっている。午前11時05分、思わず背筋が伸びるほどの警笛とともに、鈍いエンジン音が駅に響き渡る。原色車は雪景色に合って良いものである。
急いで釧路駅に戻り、折返しのおおぞら6号が札幌に戻るまでの間、駅スナップの画数を稼ぐことにした。夜の画との対比として、なるべく明るくをモットーに。おそらく私の目で283系が釧路駅にいる姿を見るのは最後になるだろう。札幌に向かい去っていく姿をホームとともに切り取った。