2016.08.23〜24 日豊本線
四国での撮影を終えた夜、愛媛県八幡浜からフェリーに乗り、翌朝別府港に降り立った。なかなかしないタイプの九州上陸である。予定は特に立てていなかったが天気は良く、寝ているのはもったいない。フェリー港から別府駅まで歩き、列車に乗って撮影に繰り出した。
小一時間ほどは列車に揺られただろうか。下ノ江駅に着いた。当たり前だが夏の九州は暑い。駅から国道の跨線橋まで歩くともう汗だくである。着いた時点ではまだ線路に影が落ちていたが、10時を回ると日が当たり始めた。やってきたのは783系にちりんと、こちらも東京からわざわざ撮りに来る人もいるというEF81牽引の貨物。当時は何気なく抑えていたが、今となっては貴重な写真となってしまった。
跨線橋で撮っていると、同業の方が大分まで送ってくれた。その途中、高城駅近くの乙津川橋梁もスポットと教えてくれ、寄ることになった。天気は相変わらず良い。歴史ありそうな橋脚に、JR九州らしい車両が色を添えた。全部赤だけど。
大分駅で親切な御方と別れたあとは、杵築駅まで再び列車移動。定番の杵築カーブに来てみた。貨物の撮影地として名高いが、東日本のガキからすれば全てが被写体。青いソニックに嬉々としてレンズを向けたのだった。
日豊本線を縦走し、翌朝は南日向で迎えた。朝から美々津の橋梁に向かっていたところ、ななつ星が通り過ぎていった。無知はいつまでも敗北と同義である。お立ち台に着き、特急とレアな713系を撮影。赤い塗装と北陸チックな顔は、どこか「最果ての交流電化」というワードが浮かんだ。そろそろ撤退かなと思った時、やってきたのは単行のキハ147。単行である。幕にはしっかり試運転と表記。どこまで行ってどう帰ってくるのだろう……不思議な写真だけが手元に残った。