2016.08.19〜21 予讃線
夏は行動の季節である。暑さには弱いが好奇心にも弱い。行き先は春に続いて西日本に照準を定め、早速ジェットスターを予約して松山に飛んだ。空には太陽がギラギラ、当然気温はグングン上昇。"熱い"夏が幕を開けた。
松山駅から普通列車で西に1時間、やってきたのは海からもほど近い串駅。去りゆく列車をホームから撮影し、俯瞰スポットに向かう。時刻は昼頃、気温は37度。真上の太陽からの熱気を全身で感じながら曲がりくねった道路をひたすら登る。途中数度道に迷いながらも40分かけてようやくポイントにたどり着いた。持っていた1Lのポカリスエットは空になり熱中症一歩手前の状態でも、その光景は喉の乾きを忘れるほど。山の上で待つこと数十分。青々とした瀬戸内海をバックに走るキハが通過し、夢中でシャッターを切った。
俯瞰から下山し、駅前の自販機で水分補給。生き返って向かったのは、同じく予讃線の下灘駅。「日本一海に近い駅」として観光スポットにもなっている駅である。近さでいえば青海川駅や浜川崎駅などもあるとは思うが、ロケーションが良いという事実は変わらない。日暮れ前に駅に着き、まず狙ったのは観光列車。写真を撮るためにホームに降りてきた乗客で田舎の小駅はにわかに賑わう。
そして迎えたサンセット。瀬戸内海に沈む夕日は美しいの一言。ここを目指して来る観光客が少なくないことにも納得できる。海の向こうに光が完全に消えるまで、ホームのベンチで待つ時間さえも充実した時間に感じた。
松山で一夜を明かし、翌日は乗りつぶしに使った。多度津を経由して高知、窪川を周り夕方に宇和島駅にたどり着いた。改札をくぐるとホームには夏らしく風鈴の音色が鳴り響いていた。これは画になる。特急宇和海を赤い色合いで切り取りそのまま乗車。結果四国を一周しまた松山に戻り、再び一夜を明かすことにした。
翌朝、今治市を散策した後に香川県に入った。天気も良いし適当なロケーションを探す。とりあえず讃岐府中駅で降り、うどん県香川らしくない?水田から線路を見下ろす場所を見つけた。やってきた列車は特急いしづち。狙いの車両ではないが、オレンジのラインはそこそこクールだなと思った。
その後再び列車に揺られ、海岸寺駅に着いた。このあたりは線路が海沿いを走る区間で、瀬戸内海と絡めて撮れる場所があると聞く。変わらずの暑さの中歩いてロケハンし、まずは松山行きの特急を撮影。そのまま夕暮れを待ち、高松行きの特急がギラリと光る瞬間を切り取った。こうして振り返ると天候に恵まれた3日間、良い成果が上げられた思い出である。