2022.01.30〜31 石北本線②
青空の気配で目が覚めた。車の扉を開けると、開けたことを後悔するほどの冷気が車内に流れ込む。この日の留辺蘂の最低気温は氷点下21.8℃。寒気×放射冷却でキンキンに冷えた空気、つまりは気動車の爆煙を狙えるコンディションである。期待に胸踊らせ、三脚を担いで跨線橋に向かった。
予想通り、いや予想以上の大爆煙である。しかもリバイバルオホーツク幕ときた。舞台も役者も申し分なく及第点の写真となってくれた。惜しむらくは、ホームが解体工事中だったことと、オホーツク発車の1分後にご来光を迎えたこと。もっといいコンディションになった可能性を考えつつも、頬が取れそうな寒さに身をやることには二の足を踏んでしまう。行かないで撮れたらいいのに。
せっかくの青空バリ晴れなので、臨貨も編成写真で抑えてみることにした。先行のキハは北海道色、リバイバル急行色、キハ54の混成3連となかなか面白い絵面。本命の臨貨も遠軽まで背中を預けられていた釜が綺麗に雪化粧をして登場。構図作りに自信はないが、この役者ならどう撮っても御の字だろう。
順光でオホーツク幕を強調できる撮影地がなかなか思い浮かばず、生野駅跡から少し北に行った踏切で待ち構えることにしたが、ある意味予想通り、巻き上げ雪で幕は全く見ることは叶わなかった。遠軽でのスイッチバックでかる〜く雪落としてくれるかな……なんて淡い期待を抱いたが、そんなことはなかった。残念。
昼からは瞰望岩にアタックしてみた。夏場ですら柵がない場所なので、雪庇を踏み抜いて転落死しないよう細心の注意を払って立ち位置を決める。奥の山々に着雪していたらもっと良かったが、そんな日はきっと新雪。瞰望岩にはたどり着けないだろう。実際、この前年も新雪が深すぎて登攀を諦めていた。北海道色のキハ40もいつまで見られるかわからないだけに、登って大正解だった。
大雪1号はラベンダー編成のため無視して、大雪4号は愛別まで戻って撮ることにした。日の入りが16時45分ごろということで、15時55分ごろに愛別を通過する大雪4号はいい具合に夕日に照らされるのではないかという算段である。結果はご覧の通りで、構図はもう少し練ったほうが良かったが光線は悪くなかった。特急を撮って片付けをしていると、どうも特急の通過だけではない音が線路から聞こえる。普通列車と離合するんだっけ……と時刻表を開いた矢先。視界に飛び込んできたのは石北ラッセル。完全に失念していた。機関車はラッピング車だが、一応記録。まったく降雪はないので、掻きようもなかった。