2022.11.15 Praha
朝までチェコ鉄道=České Dráhyを撮って回り、昼からは3度目となるプラハのタトラカーを撮ることにした。公共交通が大切にされているプラハの電車位置ナビサイトには、行き先や遅れはもちろん、何の車両が使われているかもわかる。これのČKDT3を探せばタトラに出会えるというわけだ。強い味方を携え肌寒い街へと繰り出した。
ますはこの日タトラT3が比較的多く運用に入っていた系統が行き交う交差点へと向かった。視界にトラムがいないことがないほど高密度で運転されるなか、T3も打率40%くらいの頻度で来てくれる。T3にも色々あり、車体によっての差異も多くある。狙って撮れるほど違いに詳しくないが、数を撮って違いを楽しむのも面白い。
少し動いて奥行きのある角度を見つけた。この時撮りながら待っていたのは23系統。ほぼ確実にT3が入るだけでなく、この日の運用には「T2」というさらに古い、実質動態保存のような車両が入っていた。偶然教習車を見つけたりしつつ、ぼーっとしていると後ろからT2が登場。まずは現認。どこで撮るか考えよう。
とはいえ、T2が折り返してくるまでは時間がある。10分ほど歩いた場所にある劇場前の通りにはチェコ国旗が掲げられていた。T3もそこそこの頻度で来てくれるのをいいことに、プラハの街並みと国旗を入れて撮ってみた。強引なチェコ感だが悪くない。
ヴルダヴァ川を渡って南北に走る沿線を撮影地とした。北を向けば建物の隙間を走るようなT3が撮れ、南を向けば少し空が映る画角でも撮ることができる。まあ入れる意味もない曇り空なんだけど。同じ場所でも、画角を変えると違って見えるのがヨーロッパ建築の面白さ。撮っていて飽きない。
T2はタトラ社がT3の前に開発した車両である。T2の改良型がT3で、より大量に生産されたのがT3である。世界最後のT2はチェコのリベレツにいたものの、2018年に引退。私がリベレツに行ったのは2019年のことで間に合わなかったのだ。その後T2は2両がプラハに引き取られて修理され、運用に入るようになった。初めて撮るT2は、プラハの街並みによく調和する優雅さを感じる良いデザイン。レトロすぎないところが好みである。良い。
次にT2を待ち構えるのはÚjezdにした。道の脇に丘があり、少し高いところから撮り下ろせるのだ。まずは構図合わせのためにT3を撮っていく。ここも次々とトラムが来てくれてなかなか楽しい。電停で止まるのも撮りやすくて助かる。悴む手を揉みながらT2の登場を待つ。
T2が戻ってきた。この6003号車に付けられた1灯の前照灯は遠くからでもよくわかる。側面を見るとT3と似たところもあるが、単純に直したばかりだからか塗装の輝きがいい感じ。大切にされていることがわかる。動態保存車的な存在なのに、ただの平日に走る驚きもありつつ、ありがたくシャッターを切った。
晩飯を食べて少し夜戦に繰り出したが、暗すぎてあまり戦えるものではなく流し撮りで誤魔化すことにした。流し撮りでカッコいいのはタトラの結合部な気がして狙ってみる。なかなか難しいもんだ。