2018.09.29〜30 根室本線
札幌に限れば地震の影響もなくなりつつあった9月下旬、東京からの友人が訪ねてきた。どこか連れ立って行こうという話になり、なんとなく十勝方面へ。前日に泥酔してしまったので、友人の運転に揺られて日勝峠を越えた。
まずは根室線と石勝線の共用区間、新得の大S字カーブにやってきた。定番、増田山の頂上からの景色は十勝に来たと感じさせるに十分なものだ。あきぞらのもと峠に挑むスーパーおおぞら、そのディーゼル音は山の上にもかすかに聞こえてくる。そのまま山を降りて平野を疾走して移動。逆光に輝く列車を見上げる構図でいただいた。
そのまま狩勝峠を越えて富良野側にやってきた。昼間にこのあたりの38号を走るのは初めてで、鉄路には2016年の連続台風の被害が生々しく残っていた。この水害も一因となり廃止に瀕しているのが、上記写真の布部駅を含む富良野〜新得間である。かつての幹線の雰囲気を残しつつ、たしかに地域輸送の面で見れば閑散としているのは否めない。誰もいないホームに寂しげに到着した列車、そこにかつての道東への大幹線の風格は感じられなかった。
富良野で晩飯を食い、終列車の離合を狙いに芦別駅へ。駅前の五重塔は撤去され、構内にかつての出炭地としての賑わいはないが、長大幹線の主要駅としての風格は残っている。夜中の離合は長いホームに見合わない単行同士。かつての栄華の名残を感じつつ、ホームの端でシャッターを押した。
この日も前回と同様、ストレートで貨物を待ってみたものの、結局来なかった。天気も上々ではなく、とりあえず上下の単行を切り取って終わった。
平岸駅は変則的な相対式ホームの離合可能駅である。跨線橋に上がると、木製の電柱ややけに線路と平行ではない向きに取り付けられたホーロー看板が特徴的。この時間の列車は珍しく2連なようで、これまた珍しく利用する方もいらっしゃる。小駅の記録としては十分だろう。
赤平まで戻ってきた。駅のロケーションは芦別に軍配が上がるだけに撮影場所に悩んでいると、ズリ山階段との看板を見つけた。産炭地のズリ山は草は生えても木は生えにくく、麓まで抜ける場所が少なくない。日本一の777段!という誘い文句にテンションは下がるが、まっすぐ777段を登らせるストイックスタイルに挑んでみることに。休み休み登った上からの景色は悪くない。線路が少しギリギリにはなるものの、赤平市街を一望することができた。