2022.04.05 名鉄蒲郡線②
すこぶる天気が良い。はるばる北海道から弾丸ツアーで来てよかったと心から思える。さらに桜もギリギリ満開と言っていいところ。おそらくピークは2日ほど前だったのだろうが、まだまだ文句ない咲き具合である。時刻はお昼前。週末は大変混みあったという桜の名所へと車を走らせた。
桜の名所、拾石川。無知な私は最近まで知らなかった。流行って知るのは恥じるところ。ただ話題になるだけあってその景色は見事。山側には鯉のぼりもたなびき、季節感は120点。とはいえ午後にならないと日は回らないので、記録代わりに通常の赤い車両でパシャリ。そそくさと海側に移動し、満開の桜とどう絡めようか考えを巡らせる。サイドの白帯も、見上げ構図も実にカッコ良い。
どのような画角で切り取るかが写真の醍醐味の一つである。強調させたいが、入れたい景色。広げたいが画角に入る目立つ邪魔者。あれを取ればあれが入らないと頭を悩ませるのである。この愛宕山から見える景色も、逆光のため近づかないと車両は映えないが、広げて山の桜も入れたいと贅沢な悩みをしてしまうのである。とりあえず白帯ではない車両を2度撮れるチャンスがあったので、様々な画角で撮影し、本命の白帯は車両を強調させるよう寄って撮ってみた。
撮れ高がいいことに気を良くしてしまい、気軽な登山を始めた。88個の地蔵がある見影山である。山頂からは三河湾が一望でき、随所随所で蒲郡線も抜ける。都合3駅分は見えるので、レンズを変えながらでも対応できるのがありがたく、1本で3度美味しい撮影地となっているが、三河鳥羽方だけは朝イチじゃないと日が回らなかったのは反省点だな。
どうしても鯉のぼりを順光で撮りたく、即再履修を受けてしまった。やはり日が回るだけでこんなに車両が映えるとは。太陽の力はすごいものである。撮るやいなや猛ダッシュで朝撮った桑畑山に戻り、こちらも順光の写真を抑えにかかる。この場所は横構図で線路を左側に寄らせたくなる場所なのだが、桜の季節に桜を入れないのは馬鹿らしい。強引ではあるが手前の桜をあしらった縦構図で切り取ってみた。
17時40分の飛行機に乗らないと翌日仕事に行けない。でもまだ撮りたい。わがままな気持ちを抑えるべく、通り道の吉良吉田駅停車中の白帯車にカメラを向けた。元三河線のホームで発車を待つ白帯車。かつての名鉄末端区間のように、蒲郡線も同じような末路を辿ってしまうのだろうか。この白帯車フィーバーが最後の祭りとならないといいなと心から思った。