2018.03.06 Praha
前日にいたブダペストからチェコの首都プラハへは夜行バスで移動。夜明けとともにプラハ中央駅に到着した。眠すぎる。天気はみぞれ。寒い。疲れた。何もやる気がでないまま、とりあえず荷物をコインロッカーに放り込んでトラム&地下鉄の24時間券を購入。眠いなりに動き始めた。
トラムの様子を伺い、地下鉄で適当に降りたのはPalmovka駅。どう読むのかどこにあるのかよくわからないが、降りたらトラムがあった。公式側ではないものの、2連タトラを横から撮影。寒すぎて撤退しようとしていると、車の音とともに叫び声が。見るとパッカー車に掴まったおじさんがめちゃくちゃ決めポーズ。しっかりシャッターを切ると満足げにフェードアウトしていった。
トラムを撮りにプラハに来たが、みぞれはやまないし本当に寒い。暖かい地下でお茶を濁す。地下鉄は元共産圏らしくどの駅も地下深く、シールド工法で作られたとみられる作りになっている。やることもなかったので、柱と組み合わせてA線の車両を撮ってみた。
昼になり、みぞれは弱まってきた。せっかく来たのだからトラムをいただかないわけにもいかない。街に出るとタトラカーが闊歩する夢の光景が広がっていた。背景の山に東欧の冬を感じつつ、低床改造されたT3(通称銀タトラ)やT6(通称角タトラ)を回収、さあ今度は原型のT3を狙うぞ。
次にやってきたのは多くの系統が行き交うMalostranskáの坂。電停を降り、近くの歩道橋で待っているとやってきたのはT3型。別に珍しいわけではないのだが、求めていた車体が来るとテンションが上がる。同じ歩道橋にはトラムを撮るおばさまもいて、海外で初めて同業者を見たのでなんか喜怒哀楽どれでもない感情になってしまった。会釈したら会釈されたので悪い人ではないみたい。
そのまま少し坂を下り、カーブの付け根でトラムを待つ。天気は悪いが、左側にはプラハ城の上の方も見えるので、入れ込んでシャッターを切った。
この坂で撮影中、なにやら目立つ車両が通りかかった。よくわからないがT3を種車にした事業用の車両のようだ。前半分は見た目そのままだが、後ろにはタンクが取り付けられている。系統番号はM。よくわからないが珍しそうなのは確か。運がいいような気がしてとりあえず撮影した。帰国後調べてみると、芝生軌道に水を撒いたりする事業用車で、予想通りT3改造のものだった。車両にはカメラが付いていて、どこにいるのかネットで生中継しているらしい。なんだそのサービス。
最後にやってきたのは、プラハトラムの観光名所ガントレットである。リスボンとは異なり、これは完全な単複線。建物があるがゆえ、その下をこじんまりと通らざるを得ないのである。待ち焦がれた現場。レールもしっかり4本敷かれ、そこに両方向からひっきりなしにトラムが走り抜ける日常があった。ちなみに隣には一通の道路もある。できれば通りたくないな……と正直思った。
そのままガントレットの目の前にあるMalostranské náměstí電停に目を向けた。よくわからないが広場のようになっていて、中心部ゆえかひっきりなしに列車はくる。写ルンですで撮ると、まるで旧ソ連時代のような風景が浮かび上がった。雰囲気さまさまである。まあ一眼で撮っても、2018年とは思えない景色になったんだけどね。何にせよ市街そのものが観光地なだけあり、町並みそのものが美しく、さらにトラムにもマッチする街だった。
その後プラハで1泊、翌朝のバスでフランクフルトに戻って再びドバイを経由して8日深夜に羽田に着陸。ヨーロッパ遠征は幕を下ろした。