2021.11.09〜11 阪堺電車⑤
大阪遠征最終日。平日に生まれた3連休をひたすら歩いて写真撮ることに使っているのだから、酔狂と言われて返す言葉もない。この日も朝から雨模様。前日の疲れも相まってラッシュライムは寝て逃し、午前9時すぎのスタート。カメラを片手にじわじわと関空方面へ。3日目にもなると大阪ウォーカーになれつつある自分がいた。
天王寺から自転車で南に向かっていると、なんか良い踏切を見つけた。住宅街の中に古い木造の建物もあり、画になりそうだ。時間を見ると、ちょうど5分後に電車も来るらしい。少し距離をとって望遠レンズで画角を決める。少し雨脚が強くなってきたところで踏切が鳴り、唸る加速音とともにラッピング車が駆けていった。
まずもっての目的地は住吉鳥居前。定番の鳥居越しの阪堺を抑えておきたかったのである。さっきまでの雨はなんだったのか。太陽が顔を覗かせる。なんとか青空が見える位置を狙ってまずは1枚。鳥居を正面からドカンと据えた構図でさらに1枚。南海の駅看板を入れることで、強引に地名がわかるのも個人的には好きなところ。
なんだかんだ好きで撮ってしまう住吉鳥居前の電停。レトロな雰囲気がたまらないのである。役者はパンダ塗装のモ701。旧車の登場を待つ間もなく、続行で次の車両が登場。ラッシュ時ならまだしももう午前10時すぎ。不思議なダイヤだと感じながらも、案外撮ってなかった続行シーンをGET。ラッキー。
ぶらぶら我孫子道まで歩いてきた。浜寺駅前行きに乗ろうとしたところで、反対の線路に旧車が現れてしまった。これは無視するわけにはいかない。我孫子道を出発して堺市に向かう浜寺駅前行きをバックに出発準備を整えるモ353をパシャリ。大阪市街に向けて走る後ろ姿も併せて写真に収めた。
今度こそ浜寺方面へ。とはいえ綾ノ町から先はLRTのように小綺麗な併用軌道になっていて面白みがない。急遽電車を乗り捨て、併用軌道が始まる場所で狙うことにした。路地から出てくるようなカーブは下町の京成電車を思い出す。何本か低床車を見送り、戻ってきたのは先ほど我孫子道で見送ったモ353。役者としては十分である。レトロな雰囲気を存分に入れて活躍を切り取った。
最後は、綾ノ町停留場裏にある商店街。なんというかすっげえ良い。昭和30年代から、店が減った以外は何も変わっていないんじゃないかと思うほどのエアポケットだった。可愛らしいフォントの看板と絡めて構図を作ると、運良く現れたのはモ354。色合いがほしかったのでちょうどよかった。最後はシャッター街になりつつある商店街越しのカット。少しシャッタータイミングが遅れたものの、雰囲気で押し切れるでしょう。たぶん。