2022.04.10 伯備線
この春いちばんの大ニュースといえば、国鉄色やくもの登場だろう。気づけば最後の国鉄型定期電車特急となっていた381系やくも。2024年春からの新車投入が決まり、ラストランへの餞として6両1編成が国鉄色へと塗り替えられた。人混みは嫌いだが、これは行かざるを得ない案件である。前日の徳島から北に進路を取り、一路米子を目指すことにした。
まず向かったのは前年の冬に下見しておいた鬼住山。夜明け前から山に入り、初電のやくも2号、EF64牽引の貨物、やくも4号、6号と狙っていく。天気は予報通り晴れ。抜けも朝だからか春の割には悪くない。夜明けの柔らかい雰囲気から、朝陽を浴びて走るクールな姿まで。特に6号は増結7連で存在感も抜群。国鉄色の前に、やくも色でも十分かっこいいじゃんと思いながら、主役の登場を待った。
国鉄色はもっとかっこよかった。吟味の末に決めた、線路を左に寄せて日本海を強調する縦構図の中に抜群の存在感で飛び込んできてくれた。そのまま振り返って側面に日が当たるケツ撃ち構図も頂戴する。散り際ではあるが、桜のおかげで春らしさが少し演出できた気がする。
国鉄色は1日2往復だが、通常のやくもはおおむね1時間に1本あり、ちゃんと追いかけると結構忙しい。順光となる場所を探して上石見のスポットに来てみると、案外見頃の桜を見つけた。これは使わない手はない。スナップ風にパシャリ。続いて急いで上菅駅近くの俯瞰へ。箱庭風の村落の中を走るやくもをパシャリ。ここは田んぼの水入れ時期にまた来たいものである。
朝撮った鬼住山の足元には、菜の花畑が広がっていた。さらに言えば桜並木もあったのだが、これは季節が少し進みすぎていた。光線は少し南に行き過ぎていたがまあなんとかなるレベル。久々の接近戦で構図組みに迷うところもあったが、菜の花がきれいなのでなんとでもなる。美味しく頂戴した。
最後は大山バック。定番の大山バックも綺麗だろうが、絶対に混み合っているので絶対に行きたくない。もう一つのポイントとして目をつけていた発電所近くの道路沿いに三脚を据えた。2本目の貨物を雑に処理してから、本命・国鉄色充当のやくも9号が登場。青い空のもと、国鉄色は他ならぬ存在感を醸し出していた。