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2017.09.03〜10 特急ニセコ 函館本線③
函館山線に来てから1週間が経った。考えれば暇なことをしていたものである。この日も飽きずに野営地の余市から出撃するはずが、当然疲れも貯まる。晴れているがやる気はでない。とはいえ列車は迫ってくる。怠惰な1日が始まった。
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Nikon D7200 AF-S Nikkor 70-200mm f/2.8G ED VR II
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Nikon D7200 AF-S Nikkor 70-200mm f/2.8G ED VR II
とりあえず余市は晴れているし、余市駅先の跨線橋下に三脚を据えた。ベストではないがベターなロケーション。調整していると早くもニセコはやってきた。とりあえずシャッターを押してカット数を稼ぐ。まあ悪くないだろう。そのまま追いかけて、選んだのは二股駅手前の踏切。反対側では数日前に撮影している場所で、上りも撮影できるはずと当たりをつけておいた。結果は大正解。先頭カックンの面縦を美味しい光線で頂戴することができた。
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Nikon D7200 AF-S DX Nikkor 35mm f/1.8G
さらに追いかけて南下する。行き着いたのは大沼バックのド定番。そういえば抑えていなかったと来てみたはいいが、DXレンズだし、持っているのは35mmまで。どうあがいても広角が撮れないのである。苦肉の策として、斜めに撮影することにした。列車と大沼両方を入れるには仕方なかったのである。苦心していると特急は眼下を颯爽と通り抜けていった。
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Nikon D7200 AF-S DX Nikkor 35mm f/1.8G
午後は日暮山俯瞰からスタートした。展望台的な山の上から、大沼の中を通る線路を見下ろすロケーションである。天候は相変わらずのバリ晴れ。青と緑の美しいコントラストの中に、白のスラントノーズが一本入る。The.道南の景色をしっかりと切り取った。
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Nikon D7200 AF-S DX Nikkor 35mm f/1.8G
今度は北上する追っかけである。色々撮影しつつ、最後に向かったのは小樽駅。ダイヤ上小樽では10分ほど停車するはずで、スナップ狙いに入場したのである。あえて色合いを赤くしてノスタルジーな雰囲気で撮影したはいいが、別にとかち色のスラントが小樽にいることに懐かしさはないんだよな……と見返して思った。ま、細かいことはいいか。
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Nikon D7200 AF-S Nikkor 70-200mm f/2.8G ED VR II
さらに一夜明けた。正直この1週間天気が良すぎて撮れ高十分になってしまった。ならばいっそ大規模なロケハンとして、銀山の俯瞰を探してみよう。朝から山に登り林道を探すが、一向に見つからない。山頂からの景色や、鉄塔用のけもの道など、1日探したものの結論としては「アングル消滅」。9時間に及ぶ山登りの努力は水泡と消えた。疲れ切った体にむち打ち、銀山駅近くのトンネル飛び出しを最後の撮影場所とし、輝くニセコ幕をいただいた。
連日のスラント撮影はいわばボーナスステージのようなものだった。当然撮りたいのは大雪幕なのは確かだが、引退間近のスラントを様々なロケーションで撮ったこの撮影行は忘れられない夏の思い出である。