2021.07.03 札幌市電
休みの日はまずカーテンを開け、空を見上げる。青か白か灰色か。心が踊る色ならば、カメラを片手に外に出てみる。目下の狙いは引退迫るM101。山鼻線から外回りに市電沿線を探し回り、西線までやってきた。天気は上々、また運用にM101は入っていなかったが、車歴がかさむ緑の車両にレンズを向けた。
午前中につい買ってしまったトキナーのマニュアルレンズ。当時中望遠域レンズが弱かったNikon純正に替わり、多くの愛好家が使っていたというレンズが3000円で買えてしまうとは。時代である。せっかくなので、現状使っているSIGMAのArtレンズと撮り比べてみる。30年前のレンズとは思えないほど悪くない描写。キリッとした今回のような風景よりは、柔らかい風景のほうが得意のようだ。周辺部の像の流れはあるが、いい買い物をした。
少し北に進み、伏見小学校前の歩道橋に登ってみる。午後3時を回り、光線もいい具合に低くなってきた。まずは逆光だが南を向いて旧車211をパシャリ。そのまま西15丁目停留場方面を向くと、原色車がうまいこと登場。背景のビルの90年代初頭感と相まって、少し昔の町並みっぽく見えてきた。
同じ歩道橋から南向きに色々撮ってみる。藻岩山を背負って、新旧車両がすれ違うところを望遠でいただく。自然と街が近い札幌らしい光景に思える。最後は更新されていない交差点標識を絡めてスナップ的にパシャリ。条坊制の街ならではの標識もまた札幌らしさの一つのような気がした。