2019.07.06〜08 高山本線
東日本で生まれ育った私にとって、勝手に岐阜県は穴場スポットだと思っている。いや……正確には名鉄はアホほど乗り歩いたので穴場は鵜沼以北の岐阜県、まあ平たく言うと高山線である。あと長良川鉄道は行ったことない。とりあえず、夏というか梅雨でも輝く被写体として思いついたのが「山とキハ85系ひだ」である。置き替え計画もあるようだし、落ち着いている今のうちに行っておいて損はないだろう。そう考えた7月6日、さっそくセントレアに飛び、夕方名古屋で友人と合流して行動を開始した。
名古屋から高山方面、想像の倍遠かった。金山町に入った頃にはすでに「ひだ」は終わり、普通の最終も近いくらいの深い夜である。有名な下原八幡神社を訪れると、いい具合のカーブにいい具合の街灯を見つけた。賛否あるJR東海標準顔だが、そんなに悪いとは思えないんだよな。
一夜明け、曇り。雨を期待していたが、降りそうで降らない空。とはいえせっかくはるばる来たので近場で色々撮ってみる。ようやくキハ85と面会することができた。
ひだは本数も多く、かつ単線路線なため効率良く撮って回ることができる。さらに土日となれば8連以上の気動車特急が拝めるのだ。編成写真も抑えるべく一度我々は天人峡まで南下した。すると空から太陽が覗き始めた。雨予報だったのになぁ……まあいいけど。
再び北上し、狙うは長編成(確か8連)のひだ。飛騨古川近くのS字カーブでカメラを構えた。晴れているのは想定外だが、順光を逃す理由にもならない。
午後になり、ようやく雨が降り始めた。川の岩場もしっとり濡れている。国道から1本入った並行道沿いから線路を臨む場所だ。川に降りるはしごもあったが、降りる意味も特になかったので、シンプルに道路上に三脚を据え、上下の列車を待った。
夕方、下原八幡神社に戻ってきた。夜では太刀打ちできなかった鳥居との絡みもようやく撮れる。蚊がね…夕方は多いね……
翌朝、夕方にセントレアに戻らないといけないのに北上してしまった。飛騨古川を超えると特急の本数も一気に減るが、短編成になることで連結面がなくなり、ワイドビュー側ではない貫通顔を撮りやすくなる区間でもある。天気予報は相変わらず雨だが、空はきれいに晴れ渡っている。不思議だ。少し待つと、飛騨川に近いアイラインを走るひだがフレームに入ってきた。
空港への戻り際、高山の街中を少し越えたところで、最後の撮影地に脚を据えた。トンネル飛び出し、運用通りなら特急幕がある貫通側だ。変わらず晴天のもと、レールの反響音がトンネルから聞こえ始めた。
今回はロケハンも兼ねた撮影行だった。キハ85も先は長くない。遠くないうちに再訪したいところである。