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ぐるりと四国旅日記 その2 「高松・丸亀」編

あー、それにしても眠い…

10月某日の午前7時30分、四国は香川県高松駅前。前夜のサンライズ瀬戸でほとんど眠れなかったためポワンとした頭のままである。

平日の朝とあって、たくさんの通勤通学客が駅から市街地に向かう中、筆者もまずは朝飯と思い、街に繰り出すことにした。

いまだに昭和時代、宇高連絡船との乗り継ぎを考慮した駅舎の印象が残っており、移転した現在の高松駅と市街地の位置関係が若干つかめておらず、少し迷いながらことでんの高松築港駅へ。

こちらもかつてはシティホテルを擁した駅ビルだったのだが、今は平屋のいたってシンプルな駅舎となっており、往時とは違う街に来た感が強くなる。

高松築港駅前からことでんバスで5分、ビジネス街といった風情の五番町へ。中心商店街のアーケードを通り、地方都市市街地再開発のお手本とされる丸亀町を眺めたのち、うどん店「さか枝」南新町店に到着。

なにはともあれ讃岐うどんである。こちらは市内番町で長らく営業中のセルフサービス式うどん店の支店なのだが、何らかの別の業種が退店した後に、厨房等をしつらえて開業した模様であり、客席の内装がうどん屋っぽくない。

言うなれば「おそるべき居抜きうどん」である。(わかる人にだけわかれば良いダジャレ)

早速ひやあつ(水締めしたままの麺に熱い出汁をかける)とイカ、ゲソ、ゆで卵の天ぷらを頼み実食。

うん、うまい。ギチギチというほどではない、ほどよくコシの入ったうどんに、いりこの出汁がよく絡む。讃岐の日常食というテイストで朝食にピッタリだった。

10分もかからず完食し、再びアーケード街へ。ご多聞に漏れず、高松の市街地も郊外型店舗進出などの影響で、かなり空き店舗が増えてしまっている。前述の丸亀町は成功したようだが、他の地区、とりわけ、ことでん瓦町駅に近いかつての一番の繁華街・トキワ街などでは面影がまるで見られない。

さて、瓦町駅に到着。ここは高松築港駅とは逆に平屋の駅舎を平成初期に百貨店ビルに建て替え、当時のコトデン(カタカナ略称時代)の経営危機の原因のひとつとなったいわくつきの駅である。

2度に渡り百貨店が退店し、今は雑居状態のテナントビルとなったようだが、朝早く開店していなかったため、内部の実情を見ることはできなかった。

この瓦町から、ことでん(今の略称はひらがな)の志度線に乗ってみる。高松市の東部をトコトコと走り、お隣さぬき市の志度までをおよそ40分で結ぶ郊外電車。

晴れた讃岐平野、瀬戸内海の風景は実にのどか。朝の郊外方向なので基本ガラガラだが、途中屋島から八栗口までは地元小学生の団体(公立だけど制服があるようで)が乗り合わせてきて賑やかな雰囲気に。

とか言ってるうちに琴電志度に着いた。近くに当地の偉人 平賀源内の記念館もあるそうだが、頭が働いてない時に無理に見ても勿体無いのでまたの機会とし、JR志度駅に移動し、高徳線の普通列車に乗る。こちらは朝の市街方向ゆえ用務客などで半分くらい席が埋まっている。

志度から屋島までは、先ほどのことでんとほぼ並行、その後市街地の南側をアルファベットのCの形に回るように走り、やはり約40分、終点高松駅へ。駅舎2階のスタバでコーヒーを飲む。

さて、高松の残り予定は、昼飯に高松駅近くで讃岐のもう一つの名物「骨付鳥」(鳥の炭火焼き)を食べて、午後の特急で松山に向かうだけ。一応Googleで、お目当ての店の営業時間をチェックしてと。ん?

今日…休みじゃん…

おー、やらかした!じゃ代わりの店を…と検索するも、他の高松市内の骨付鳥を出す店はおしなべて夜のみの営業。朝昼連続してのうどんも微妙だし、どうするべか?と悩んでいたところ、ふと閃いた。

丸亀市に行けばいいじゃん!

そう。そもそも骨付鳥の発祥地は丸亀市と聞く。昔ランチに丸亀で骨付鳥を食べた記憶もあったので、それを頼りに調べると、JR丸亀駅から徒歩3分のところに、骨付鳥の元祖「一鶴」の本店があることがわかった。

また、丸亀は高松から松山へ向かう経路上にあり、予定変更の影響もほぼない。すぐに高松駅から快速電車に乗って30分、丸亀駅で下車、目指すは一鶴の本店。

正午近い店舗到着だったが、昼ラッシュにはなっておらずほどなく店内へ。「おやどり」をオーダー。本来ならビールを合わせたいとこだが、ここで飲むとどこかで眠りこけかねないくらいの体調ゆえ自制。

数分で「おやどり」が到着。うん、うまし。硬いのだが、噛みしめるほど深い味わいが楽しめる。おそらく年取ったらこれがつらくなり、柔らかな「ひなどり」に移行するだろうから、これを美味しくいただけるのはたぶん今のうち(笑)

皿に残った濃厚なタレをつけたおにぎりも合わせて平らげ、30分ほどで一鶴を出て、丸亀駅に戻る。

駅構内にある個人経営らしき小さなカフェで、店の方や他のお客さんたちの讃岐弁トークを聞きつつ休憩したのち、13時過ぎのJR予讃線特急「いしづち」に乗る。多度津 観音寺を経て、列車は香川県から愛媛県に入った。

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