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2024年9月の尾瀬 その4:ちょっとだけ沼田市観光

老神温泉からは乗り合いバスが出ており「沼田駅」もしくは「上毛高原駅」へ送迎してもらえる。このまま帰るのももったいないので沼田駅で降りてみることにした。沼田市の滞在は2時間半。13時23分発の路線バスで上毛高原駅に向かい、越新幹線で帰途につく予定だ。
まずは沼田城址をおさえたら、市の中心部にある大正時代の洋館を移築した大正ロマンエリアを歩き、時間があればJA利根沼田の農産物直売所に寄って群馬の野菜を買おう。
事前のグーグルマップでの予習では精力的なプランを立てていた。

だがしかし・・・暑い。本日も快晴なり。出発前から汗がだらりと頬を伝う。そして、河岸段丘というものをわたしは完全に、完全に舐めていた。
沼田市といえば河岸段丘、河岸段丘といえば沼田市だ。
河岸段丘とは何ぞや。

片品川と利根川の合流点やや上流において段差が深くはっきりとした河岸段丘が発達しており、多くの地理の教材で取り上げられています。
市街地は河岸段丘の上に発達し、玄関口であるJR上越線沼田駅との高低差は約70メートルもあります。

沼田市観光協会
のっけから、坂あんど坂、階段あんど階段だ

沼田駅を出て直後に急崖が現れる。高低差70メートルにまったくピンときていなかったが20階建てのビルに相当するのだそう。

トンネル状の階段も出現

汗はだらだらで暑いし辛いが、眺めはすこぶる良い。

急登のゴールに沼田城址(沼田公園)が登場。お城は台地の北西の端にある。登って実感した。北と西から敵は絶対に入ってこれない。素人目に見てもこの城は強い。

旧沼田町役場復元鐘楼

観光客らしき人もちらほらいるが、もっぱら地元の人々の憩いの場の様子。清掃か何かのボランティアを終えたであろうおじじたちが木陰に集まっておしゃべりしているのが良い。お城のある(またはあった)町って、自然とおらが町の誇らしさが生まれるよね。いいなぁとおもう。

旧生方家住宅

公園内に移設された商家。入場料110円(安っす!)室内に入れそうだったので休憩がてら立ち寄る。

ぬりごめ壁 嫁、使用人の逃亡防止の配慮から

使用人はまぁ分かるのだが、嫁の逃亡防止とは・・・。

わたし以外に訪れる人は誰もおらず、汗がひくまで座敷に座ってのんびりさせてもらった。
つぎは大正ロマンエリア巡りとなるが、ひとまずお土産を買いに洋菓子工房「樫の木」に立ち寄る。こちらはバウムクーヘンで有名なお菓子屋さんだ。

お土産用に小さくカットされた小分けのと、自分用に小さめの丸太状のプレーンを購入。クラブハリエや治一郎のような流行りのしっとりふわふわ食感ではなく、焼き色しっかりよく焼きタイプのバウムクーヘンらしいバウムクーヘンでだった。ラム酒が利いているのは好みが分かれるかもしれないが、わたしはかなり好き。沼田市民は手土産に一生困らないだろう。樫の木で間違いない。
さて、店を出たら完全に歩く気分でなくなってしまった。涼しいところで休みたい。下調べで雨天時の訪問先にとメモをしていた沼田市歴史資料館へ行くことにした。樫の木のすぐ近く、市役所の2階にある。
※正確には、市役所を核に公益系のテナントが集合する複合施設である「テラス沼田」の2階

入館料220円(お安い!)

中央には大きなジオラマがある。市内の各小学校がポイントされているところを見るに、まずは生徒たちをジオラマに集めて「みんなの小学校はどこかな?」河岸段丘の沼田市が、校外学習の導入なのだろうと想像ができる。

旧石器時代の矢じりから近現代までを5つのフェーズに分けた展示構成だ。黒とグレーを基調にしたシックな内装で照明の具合も洗練されている。収蔵庫の中が見えるガラス窓というのが展示スペースの一角に設けてあり、施設の本質である収集と保管が垣間見えるのも良い。
「ぬまたし」を変換すると毎度「沼田氏」となるのにやきもきしたが、由来が沼田氏ならば仕方がないと納得。水問題の解決は希望するがそういうことじゃない!(確かそんなかんじ)と計画撤回となった沼田ダムや、上越新幹線が沼田市を通らない理由なども解説されて(いたはず…)、興味深かった。もっと真面目にメモを残せばよかった。暑さしのぎに寄った沼田市歴史資料館、小一時間滞在したが来館者は現れず、ソファベンチに荷物を置いてじ~っくり見させていただきました。オススメ!

高尾山の1号路をケーブルカーを使わず降りるくらいの傾斜

路線バスの時間が近付いてきたので丘を下り沼田駅へ向かう。相変わらず天気は快晴、殺人的太陽、膝を壊さんばかりの下り坂がつづく。

階段のコーナーリングが激しすぎて階段の内周を踏めるのは猫くらいじゃなかろうか

沼田駅へ戻ってきた。そして予定通り上毛高原駅行の路線バスに乗り、上越新幹線に乗って帰京となる。

沼田市歴史資料館の訪問で「郷土資料館」というものに興味がわいた。
コアターゲット(というか、主たる来館者)は校外学習の小学生。教育インフラだから不特定多数の集客には執着していない。ゆっくりできる場所は良い。沼田市は河岸段丘推しだったが、市や町によっていろいろだろう。地形推しなのか、城推しか、産業や農業、文学、街道の要衝であれば交通推しなんてのもあるかもしれない。わたしの想像もつかないものを推す市町村が?
・・・お、郷土資料館めぐり、おもしろいのでは・・・!?

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