「君繋ファイブエム」を聞いて①
はじめに
今の自分の思考を書き残す上で何を思考しようかと考えた結果、
アジカンの曲に対する解釈や思いを残すことにした。
今回は1stアルバムの「君繋ファイブエム」。
中にはあまり聞き込んでいない曲があったり、
考察が浅くなっているところがあったりすると思うけれど
そこはおおめに見てほしい。
「フラッシュバック」
全体的に疾走感が絶えない力強い曲だと思った。
イントロは喜多さんのアルペジオ。アルバムの一曲目らしい
「幕開け」感を感じられる入りだ。
全体的に後藤さんの歌やギターは荒々しく、
歌ったら気持ちいいだろうなと思う。
「醜い過去から消し去って」「強く願うそれ」
「あの日の未来がフラッシュバック」という歌詞から、
何かを願い未来を浮かべていたがそれは無くなってしまって。
無くなってしまったが何度も何度もフラッシュバックしてしまう。
それに抗おうとする苦悩や必死さを感じ取った。
「未来の破片」
前曲「フラッシュバック」から自然な流れでイントロが始まり
思わず鳥肌が立ってしまった。
過去の映像作品集では二曲が連続して演奏されていて、
てっきりライブのアレンジ的な繋ぎだと思っていたのだけれど
アルバムからそうだったらしい。
私は歌詞から、「一緒に生きたい未来」を感じた。
「繋いでいたいよ」「消えゆく思いをただ塞ぎ止めたい僕の歌」から
特に感じられる。
「君の声が聞こえた日から萌える色」という歌詞から
きっとこの歌の主人公は恋をしているのだろう。
この歌は付き合っている二人がお別れ、もしくはそうなりかかっている
状態なのではないだろうか。
「フラッシュバック」に続き、この曲もキーワードは「未来」という
単語にあると思う。
「電波塔」
この曲のイントロは神がかっている。
これまで使われていたパワーコードではなく、
どことなく「電波」を思わせるような細かい単音弾き。
そして歌詞の入りが「ただここでくすむ日々に沈んで消えそうな色」
退屈している毎日、のようなものを感じる。
「探す日々」などから主人公はこれを打破したいと
思っているのかもしれない。
そこに「アンテナ拾った言葉から繋いだよ途切れる声」。
誰かが干渉して主人公は変われたんだろう。
その誰かから受け取った言葉、思いを
次の人に繋ごうをしているのだろうか。
この歌を通して、言葉を繋ぐことを表しているのかもしれないと考えた。
「誰か」が主人公に届けたのは何も、「言葉」ではないのかもしれない。
「途切れる声」とも言われている為、伝わってきたのは歌で、
主人公はそれを歌い継ぐことで次の人に届けようとしているのではないだろうか。
現在後藤さんは、Applevinegartという非営利の団体を立ち上げ、
静岡県藤枝市に土蔵を改造したレコーディングスタジオを作り
スタジオ文化を繋いでいこうとしている。
もしかしたらこの曲を作っている時点でも、何かを繋ぐという
考えの原型は持っていたのかもしれないと思った。
「アンダースタンド」
この曲はとても優しく、心に寄り添って、
認めてくれるような要素がある。
「歪んだ日の君も それアンダースタンド」
「宿ったその心 絶やさないでよ」
「響かない君の 先の見えぬ明日も 願うよきっといつか」
落ち込んでいても、辛くてもいいことがあるよ
と言われているような気持ちになる。
ギターもだんだん音が上がっていくフレーズがあり
それと一緒に気持ちも上がっていく。
更に「Wow」や「Yeah」のような掛け声も重なって、
思わず口ずさんでしまうような明るい曲だと感じた。
「不安で泣いた君も それアンダースタンド」
アジカンの曲は全ていい曲なのだが、この曲こそ是非、
私と同年代の学生にも聞いてもらいたいと思っている。
いきなりどうしようもなく、漠然とした不安に襲われて
泣き出しそうになる夜を何度経験したことだろうか。
この曲はそんなときに安心感や勇気を与えてくれるだろう。
「夏の日、残像」
ファン感謝祭2024に伴って行われた人気投票にて
堂々の一位を獲得した神曲である。
「夏の日、残像 消さないで、消えないで」
という詞が特に強く印象に残る。
夏の出来事、思い出、をいつまでも失くしたくない、
そんな思いを感じた。
これは私の経験と重ねたものになってしまうのだけれど
この曲は失恋の曲だと勝手に解釈している。
「敢えて見ない」からは別れということに対する現実逃避、
「敢えて居ない」から辛い現実を最初から無かったことにして
辛さを緩和しようというものを感じる。
というより今の私がそうである。
「報われぬ幻想」「埋まらない隙間」という詞からも
辛い別れを認めたくない、相手の存在や気持ちを失くしたくない
と歌っているように思える。
「僕だけ残して流れて流れた」という部分は
ショックや喪失感で自分の時間が止まっても、そんなこと関係なく
夏は過ぎ去っていく という意味に捉えられる。
「夕立ち、蝉の音」は恋の終わり、夏の終わりを思い起こさせる。
夏の熱気を雨が冷まして、暗い夜へ向かっていくのだろう。
そんなこの曲を聴いていると自分と重ねてしまって
気を抜くと自然と泣いてしまう。
どうしようもない喪失感に襲われて目の前が真っ暗になって
少し前まで想像していた、もうどこにもない未来に縋る。
もう二度と戻れないあの頃を思って泣くことしか出来ずにいる。
いつか笑い話にできる日は来るのだろうか、私はこのまま
ずっと一人ぼっちなのだろうかと怖くなる。
立ち止まった私を置いて、周りは進んでいく。
私だけ残して夏は流れ、過ぎてしまった中秋の名月。
あの日の思い出が残像のようにうっすらと、それでいて
くっきりと脳裏に焼き付いて忘れられない。
夏の日、残像。消さないで、消えないで。
「無限グライダー」
この曲は過去の過ちや、思い出を乗り越えて、
未来へ飛び出すような歌だと感じた。
「辛いよ辛いもう現実と理想の境目で僕らの」
「夢、希望その類 砕けた幻」
どうにもならないような辛い現実に折られてしまった
希望があって、その中にある物から未来へ繋げるものを探して
「くしゃくしゃになってた夢」に思いを馳せる。
曲名やサビに「無限」という言葉が多用されていることから
飛び続ける→未来へ進み続ける
という意味が込められていて、
「自分たちも進み続けるから君たちも進み続けて」
というメッセージでもあるのではないかと思った。
リードギターの歪は初めの方の曲よりも少なくなっていて全体的に
クリーントーン寄りの音が使われている。
まさに「グライダー」な軽快さが感じられてとても心地よい。
あとがき
書き始めて、思ったより自分の考えたことや感じているものを
言語化することは難しいということに気づいた。
3時間かけて6曲分しか書き出せなかった。
そして予定よりかなり長くなっていて読み手が疲れてしまいそうなので
今回は「前編」という形でここで一旦区切ることにした。
なんて言ったってあと6曲残っているんだから。
簡単にこれからの予定を立ててみた。
まず定期的に「ぬい日記」は投稿し、その合間に不定期で
今回のようなアルバム考察?シリーズやその日に考えたこと、
音楽関連のことを書いていこうと思う。
アルバム考察シリーズは「君繋ファイブエム」から、
最新の「プラネットフォークス」までのフルアルバムを取り上げ、
その後にシングルやEPについて語ろうと考えている。
また、順を追っての投稿とは別に個人的に好きな曲を一曲づつ取り上げて、考えを語るのもやってみたいと思う。
記事をまるまる一つ使えるので好きなだけ語れる。最高だ。
後半の投稿は多分二日後くらいになると思う。
楽しく書こう。