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『SHOGUN 将軍』プロデューサー・宮川絵里子さんと「自己投影できるアジア人女性」のこと
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『SHOGUN 将軍』プロデューサー宮川絵里子さん
私がMCと制作をやっているラジオ&Podcast「時代劇が好きなのだ!」。
1周年を迎えて新しい流れを作りたくて、「居酒屋 時代劇が好きなのだ!」という微妙に異なるラインを始めました。(同じチャンネル内でやっています)
第1回のゲストは、『SHOGUN 将軍』のプロデューサー・宮川絵里子さんと、ハリウッドアニメ『リックアンドモーティー』の日本版『Samurai&Shogun』の佐藤懐智監督。
真田広之さんのことやエミー賞の権威について、脚本のすごさはハリウッドのドラマ制作事情などなどはもちろんのこと、
アンナ・サワイさんや二階堂ふみさんはじめ女性たちの功績など、日本ではあまり重要視されない内容も語ることができて、すごく貴重な回になりました。
内容についてはこちらで👇
とくに今日公開された後編では、アンナ・サワイさんのエミー賞受賞の価値についてお話させていただいて、宮川さんが
「エミー賞の壇上にいるアンナさんを会場で8歳の娘に見せることができた。それはすごい価値。いままで私たちが自己投影できる人はいなかった」
ということを仰ったのです。
私自身は宮川さんにもアンナさんにも到底届かない力量かもしれないけれど、本気で頑張れば、あんなことが成し遂げられるんだ! と思える存在に出逢えた価値は底知れません。
アジア人女性が自己投影できる存在
思い出したのは、『リトル・マーメイド』実写のこと。
アリエルが黒人になったことで大騒動になりました。
まあまあ熱狂的?なディズニー好きの私も、もちろん一瞬「え?」と思ったけれど、元々ブラックミュージック好きなので何かが起こる予感に切り替わりました。
歌が上手いアリエルを、めちゃくちゃ上手い黒人シンガーにするってこと!? となかなか滾りました。
何より世界を牽引する力を持つディズニーが率先してチャレンジしていく流れはすごいと思ったし、本当にすごい思いきりだと感嘆しました。(実際にHalle Bailey のアリエルはもう最高すぎて何も言えないくらいです)
しかしやはり、従来のファンもそうでない人も、過剰なポリコレだとか、こんなのアリエルじゃない! と大騒ぎになっていた。
そのときたくさんSNSのタイムラインに流れてきたのが、予告映像を見てキラキラと目を輝かせる黒人少女たちの映像。
「黒人の少女たちは自分を投影できるプリンセスがいなかった。初めて自分たちと同じ肌の色の憧れのプリンセスが現れた。これくらい譲ってくれたっていいじゃない!」
という黒人ママたちや肯定派の声を見て、私も、そうか、と思いました。
あの喜ぶ少女たちの姿を見て、まだ「こんなのアリエルじゃない!」と激怒するのは、もうただの意地悪としか思えません。……
私もマニアなので好きなキャラクターのディテールを再現してくれることに喜びを感じるわけで、本来のアリエルとビジュアルが変わると、シンプルになぜ? と思います。
でもそういうマニアのために作るものばかりが創作の正しさじゃないのは、いい加減に理解できるつもりです。とくにディズニーくらいの影響力を持っている集団がやるということはすごく大きな意味になる。
弱者の助っ人にもなれるし、誤解を怖れずに言えば、加害者の強力な助っ人にもなる。
ちなみに『プリンセスと魔法のキス』も黒人のプリンセスが主役なのですが、重要なのは、白人しかいなかった頃の従来の人気プリンセスに、自分たちを投影できるという喜びだったのだと思います。
思えば、我々アジア人も投影できるプリンセスはムーランくらいだったわけですが、どうしても白人プリンセスに憧れてきました。(私も大好きです)
近いものより遠いものに憧れるのかな? コンプレックス? というか、圧倒的に白人プリンセスが多いので目に触れる機会は多く、そちらに憧れるのは普通のことだと思います。
ディズニーはたしか、メガネのキャラクターもいなかったから意見を取り入れたって話もありましたね。
とにかく、アリエルを黒人が演じるという、黒人女性たちの奇跡の喜びは、『SHOGUN 将軍』における私にも他人事じゃなかったなと改めて思ったのです。
いまから死に物狂いで努力すれば、宮川さんやアンナさんみたいなところに、少しでも近づけることができるんじゃないか?
まさにPodcastでも語られた、「扉は開かれた。くぐるのは自分次第」というところです。
扉を開くことがどれだけ大変か、そこをやってくれた人がいるということです。
こういうことを言うと、鼻で笑う人もいるのかもしれません。
お前ごときがと。お前は違うだろと。
でも、そもそも私がいまやっていることは、たった1年前まで「無理」「他のことをやるべき」と言われてきたことです。
俳優の絵を描いて仕事する? 販売する?
海外を目指す?
「あっそうですか頑張ってください(笑)」って、半笑いで時代劇関連の先輩に言われたのも忘れません。(笑)
私はなにひとつ自分の能力に満足はしていないけれど、でもたった3年くらいでここまで実現できたことだけは、よくやったなと自分を褒めています。
もちろん、いろんな人に協力があってのことです。
宮川絵里子さんとの対話のなかで、がんばろうというパワーをもらえたことは本当に大きかったなと、改めてPodcastを聞き返して思いました。
女性以外にももちろんオススメです。
今回書いたこと以外にも、たっぷりと『SHOGUN 将軍』の話をお伺いしていますので、ぜひぜひお聴きください。
Spotifyのほかに、ApplePodcast、Amazonmusicでも配信しています。
前編
後編
番組「時代劇が好きなのだ!」のnoteはこちら。
こちらもぜひご覧ください。