目の前に秋が現れた。
目の前に秋が現れた。それは本当に唐突だった。
小説のような出だしだが、秋は現れた。
照り付ける太陽を恨めしく睨みつけていた日々。
秋はもういない。そう思っていた。
のに。秋は唐突にやってきた。
本来ならば喜ぶことだろう。
中秋の名月もすぎ、それでもなお蒸し暑く
ねっとりとした汗が体にまとわりついていた。
夜も朝も暑く不快指数が温度と共に上がっている夏。
そう、涼しいは大歓迎だ。
私は家では裸族裸エプロンの私。
半袖半ズボンでも暑い夏。
クーラー水風呂、対策なんてたかが知れている。
しかし、そんな私は風邪を引いた。
ほかならぬ秋のせいだろう。
こっちは汗をかき、半袖で生きている。
しかもクーラーまでかけている。
無防備に等しい身体に
その秋の涼しさは体にダイレクトに攻撃を受けた。
私だけではないだろう。後輩も風邪でダウン。
私はかろうじで休みだったため寝て回復に努めた。
寒い。涼しいが気を抜くと寒い。
まてまて。いくらなんでも切り替えがはやい。
なんだこれは。
さむい。寝るときだってうっすい布一枚でしか寝ていない。
多くの人間がこの切り替えの差に応えているだろう。
さすが令和ちゃん。
天気コントール下手か。
でも、この小さな秋を逃してはならない。
やれることやらないとすぐあの寒い冬が来る。
散歩をしよう。運動もありだ。焼き芋も美味しいだろう。
昼寝も最高だ。写真もありだろう。空がきれいだ。
ファッションだって楽しめそうだ。
小さな秋、みいつけた。