〈HISTORY ON THE STREET〉
うるせえな。あの小っせえ女、カラスに向かって喋ってやがるんだ。“鳥さん、鳥さん、どこへいくの?”って。
いくら話しかけてもおめえの声は届かねえ。カラスとおめえの間には、壁ってやつが存在してる。ナゲッツのやつ、そでがわかだねえんだ。
おでたち家猫には壁があって屋根がある。そのせいであのこどみてえに自由はねえが、考えようによっちゃそう最悪ってわけでもねえ。おかげで雨風がしのげるわけだから。
人生には与えられたもので我慢しなければならないときってのがあるんだ。とにかくおでが言い