大阪湾と水産物『ぼうでの牡蠣』(波有手のカキ)

こんにちは、ウミガメです。大阪出身の筆者が気になった大阪の記事をご紹介します!

1.大阪湾と産業

大阪湾といえば、大阪・京都・滋賀の水系が、淀川として注ぎ込む富栄養化した海というイメージがありました。

『天下の台所』と呼ばれる江戸時代最大の大消費地であり、パナソニックなどに挙げられる一大工業地帯ですからね。南には奈良から大阪南部の泉州などを流れる大和川があり、堺の刃物をはじめた工業だけでなく、こちらは泉州ナスやみかんなどが有名な大阪の一大農業地帯が広がります。

そんな大阪近辺の産業排水や生活排水が流れ込む大阪湾は1980年代には富栄養化していましたが、諸活動により水質が大幅に改善されて、むしろ植物プランクトンが減少して漁業に影響が出ているようです。

2.ぼうでのカキ

西鳥取漁港では、五年前からカキの養殖を行っているそうです。三重で研修を積み、近くで販売したところ、良い反響を呼んでいるのだとか。(ところで私は東日本に来てからというもの、牡蠣と柿の発音が真逆で、正しい発音が分からなくなりました。>_< )

身はぷっくりとして、焼いても縮こまりにくいのが特徴で、波有手(ぼうで)のカキとして認知されはじめているようです。映像を見て、「うまそやなぁ〜食べたい!」とヨダレを垂らしております。

牡蠣の養殖を始めた理由として、今までの水産物の漁獲量が減少したことから、安定的に収入を得る方法として養殖業に目をつけたとのこと。この漁獲量減少は水質改善の影響からくるようですね。

3.プランクトンと魚

そもそもプランクトンとは水中の微生物を指します。微生物と聞くと、菌とかかな?というイメージかもしれませんが、例えばミジンコなどは甲殻類ですし、クジラの餌のオキアミや、エビやカニの幼生(こども)もプランクトンです。こういったものは動物プランクトンと言います。富栄養化などでよく耳にするアオミドロや、健康食品にもなっているミドリムシ(ユーグレナ)などは植物プランクトンです。

植物プランクトンが光合成して栄養を生み出します。それを動物プランクトンや小型の魚・貝などが食べて大型の魚などが食べる。これが水環境の食物連鎖です。(一例)

では富栄養化とは何か?といえば、人間による排水(農業、工業、一般生活)によって、窒素やリンといった栄養が過剰に供給され、植物プランクトンなどが恐ろしいほど増えます。すると多すぎて魚のエラなどに詰まります。エラは水を濾過して水中酸素を取り出す器官なのですが、増えすぎた植物プランクトン・動物プランクトンは過剰に酸素を消費しますので、物理的にも化学的にも窒息して魚が死にます。

しかし、逆に植物プランクトンは全ての食物連鎖のスタートとなりますが、これが水質が綺麗になりすぎると増えにくくなり、今度は魚の餌が不足するというわけですね。

4.今回の感想

いかがでしたか?これからSDGsの取り組みの中で「海の豊かさを守ろう」というものがあります。海洋プラスチックの問題だけでなく、水質、生物多様性、外来生物など様々なテーマがあります。こういった話題に興味を持っていただける記事になっていればなと思います。

また、今回の記事のように、多すぎても少なすぎても困るということがわかりました。父はよく「よぉけあってもあかんし、足りんくてもあかんもんや」とよく言っていました。皆様は、普段の生活の中で「やりすぎたなあ〜」とか「もうちょいやってればなあ〜」といったことはありませんか?ぜひこの機会に、ご自身を振り返っていただけると良いかもしれませんね。


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