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ブライトンから学べ! ニューカッスルが構築する新たなスカウティング網とは

プレミアリーグでの大躍進によりピッチ上での現象に注目が集まるニューカッスルだが、舞台裏でも着々と改革が進行中だ。

ニューカッスルが、18歳ながらオーストラリア代表としてカタールW杯にも出場したFWガラン・クオルを、冬にセントラル・コースト・マリナーズから引き抜いたことは記憶に新しい。さらには夏に向けても、欧州各国で頭角を表す10代のプレーヤーを獲得する噂が後を立たない状況だ。このような若手選手の発掘を促進していくため、スカウト部門には新たな人材が毎月のように配置されている。

つい先日アカデミーのリードスカウトとして契約したのが、エディ・ブラックだ。彼は4月上旬までアーセナルで若手有望株の発掘、それ以前にはノリッチでファーストチーム、ウルヴズでユースチームのスカウティングを歴任している。隣町ゲーツヘッドの出身で、これまでに従事したクラブでも拠点を変えることなくノースイースト地域で活動していたが、ついに念願叶って幼少期より応援するニューカッスルから声がかかった。

13歳から18歳までのスカウティング部門長を務めることになったポール・マクラーレンは、直前までマンチェスター・シティの地域別スカウトのリーダー格だった人物。現役時代はルートン・タウンやシェフィールド・ウェンズデイで活躍し、2012年の引退以降はアーセナルでスカウティングの道に進んだ。ちなみにニューカッスルは昨年11月にも、シティからユースの人事担当を務めるポール・ミッジリーを引き抜いている。

ウェストハムから加入することが決まったデルロイ・エバンクスは、ロンドン近辺の若手選手事情に精通していることから、イングランド南部地域のアカデミー・リードスカウトに就任する。また北部には以前からチーム内でスカウティングを担当してきたポール・ベイカーが配置転換により抜擢された。

これらの役職は全て、1月に新経営陣によって行われた組織再編の中で生まれた新しいポストである。彼らの下でスカウティングを行う頭数を増やそうと採用活動も継続しており、フランス、ドイツ、オランダとベルギー、スペインとポルトガル、オーストリア、ポーランド、チェコ、デンマークとセルビア、ブラジル、コロンビアとエクアドル、アルゼンチンとウルグアイといった地域で活動する人材を募集中だ。

末端で活動するスカウトの採用を一気に進め、彼らを統括するポジションには他クラブで経験を積んだ優秀な人材をヘッドハンティング。クラブの選手補強が”的確”といった言葉で周囲からの賞賛を浴びている傍ら、バックグラウンドでも着実に体制を整えているわけだが、この大改革を主導しているのがブライトンから昨年6月に加入したスポーツダイレクターのダン・アシュワースだ。

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