性的嫌がらせのこと①

【ご注意】
わたしが過去に受けた性的嫌がらせの体験を書きます。苦手な方、フラッシュバックが起きる方はお読みにならないようお願い申し上げます。当時はよく理解できなかった事件を振り返り「気持ち悪かった」の一言で終わらせずに咀嚼して成仏させるためのお焚き上げ記事です。






・公園追いかけ回され事件
生まれて初めて性的嫌がらせにあったのは幼稚園の頃だったとおもいます。同い年くらいの男の子にキスを迫られて公園中を追いかけ回されました。つかまったら殺されるというほどの恐怖で必死に逃げるわたしを、余裕の笑みを浮かべながら追ってくる男の子が本当に怖かったです。

もちろん当時は自分の気持ちを的確に言語化することなどできないので、このことは「こわくていやな思い出」にすぎませんでした。しかし後からよく考えてみると完全に虫取りと同じだと気づきました。
男の子が網をかざしてとんぼをつかまえようとする。勢いよく振り回された網の目にひっかかってとんぼの頭が取れる。それを見て「あ~あ、首もげちゃった」と笑い、そのあたりに死体を投げ捨ててまた次のとんぼを追いかけ始める。

彼にとってわたしはそのとき楽しめればよいだけのおもちゃにすぎず、おもうさま振り回した結果どうなろうと構わなかったのです。「わたし」は鵺という名前もなく人間ですらないただの虫としてもてあそばれたのでした。

幼いわたしが死を意識するほどおそれたのはその点です。キスされるという行為ももちろん嫌でしたがそれ以上に、人間扱いされない屈辱、欲望を満足させる道具として利用されることへの嫌悪、生殺与奪を握られている絶望がありました。いまでも心の奥底にある男性不信はこの出来事がきっかけだろうと考えています。

残念ながらこの後も、成人するまでに何度か男性からの嫌がらせにあいました。それらを思い返すに、加害者たちの態度に共通するのはやはり相手を対等な人間とみなさないという点です。まるで被害者が両手の中に収まる程度の意志を持たない人形で、自分の加える力で自由に曲げたりできると信じているかのようです。

つらいことですが、世の中では毎日たくさんの事件が起きています。そんななかでこの些細な出来事は、ありふれた日常の一場面のようなものでしょう。それでもわたしにとっては心の奥底にずっと沈んでいる「事件」です。このような荷物をこれからも抱えたままでいるのは嫌なので、少しずつ手放して身軽になりたいです。

それでは今回はここまでといたします。残念ながらまだネタがあるのでまた今度書く予定です。この件はこれにて成仏してほしいものです。破ッ!!(印を結ぶ)