オリンピックがなくなった4連休に世界を感じてみる
今週のちいき新聞は、「おいしいごはんで世界一周の旅」特集です。もはや「あれ、なんで4連休なんだ?」状態ですが、7月24日は本当であれば東京オリンピックの開会式でした。それに合わせて、1年前から食で世界を感じようという特集を企画していたのですが、まさかオリンピックが延期になるなど想像もしていませんでした。雲行きが怪しくなってきて、「これはもしかしたら延期もあり得るぞ」となり、企画がお蔵入りする可能性もあったわけですが、この企画リーダーのいくらさんとチームメンバーは、テーマはそのままに、どんな状況になっても良いよう準備を進めてくれました。一寸先も見えない中でも、柔軟なアイデアで乗り越え続けてくれる編集部のメンバーには、本当に感謝とリスペクトしかありません。
そうして完成した今週号では、これまで食目当てで30カ国を訪れたというフリー編集者のツレヅレハナコさんに、世界の料理とその魅力について語っていただいています。聞いたこともない名前の料理、かわいい調理器具や器のコレクションに心が踊ります。
せっかくなので今回は、私も忘れられない世界の料理をいくつか紹介したいと思います。
地域新聞社に入社してからも数年に一回はまとまったお休みをいただいて(有り難や)、「この目で見ておきたい」と思うものを見に行く旅をしていました。
中でも食文化が印象深かったのはモロッコとスリランカです。
モロッコはサハラ砂漠に沈む夕日が見たくて行きました。
モロッコといえばタジン鍋が有名ですが、私のおすすめはハリラスープ。ラマダン(断食)明けにも食べられる体に優しいスープです。家庭の数だけレシピがあるとも言われ、具材はひよこ豆や野菜などさまざま。
大体付け合わせに「ホブス」という円盤状のパンがたんまり付いてきます。ホブスを入れる籠がカラフルでまたかわいいんですよね。
モロッコはアフリカ大陸の中でも地中海に接する位置にあるので、オリーブの実たっぷりのオムレツも絶品。
いわゆる「おふくろの味」らしく、「これが作れればYOUもお嫁に行けるよ」と言われました。ほっといてください。
そしてモロッコの陶器は伝統柄が本当にかわいくて、マーケットに行ったら興奮モノです。ツレヅレハナコさんも本紙でモロッコの素焼きのフライパンを紹介してくださっています。
器の“きゅん”度で言ったらベトナムも堪りません! バッチャン村で作られるバッチャン焼きは、日本の陶器ともどこか似ているようでいて日本には絶対にない形のものがあったりするから面白い。
マーケットにて。だいぶ悩んでますね…
それから今週号の一面記事にも登場しているスリランカ。
これは現地で仲良くなったスリランカ人がローカル食堂でご馳走してくれた「コットゥ」。鉄板の上でロティ(小麦粉の生地を焼いたクレープみたいなもの)と野菜などの具材を超高速で切り刻む音がコットゥコットゥ言うからコットゥ。にんにくとスパイスがめちゃくちゃ効いています。このソウルフードを教えてくれた友人には、日本に発つ前夜、熱烈に「一緒にスリランカに住まないか」と言われることになるのですが、「それもありかな」と思うほどにスリランカのご飯はおいしかったです。
まだまだありますが今日はこのへんで。現地の匂いや風を少しお届けできたでしょうか。
前回のnoteで「半径10キロメートル以内に幸せあるよ」と言っときながらいきなり飛び出した時の話でしたが、目の前のことに真面目に、一生懸命になればなるほど、視野は狭くなりがちです。そんな時、ちょっと違う世界に目を向けてみると、意外と心がふっと軽くなることが私はあります。忙しくてわーっとなっている時、「私がこうしている今も、サハラ砂漠に陽は昇って沈んでるんだよなぁ」と思うと、時間の進み方がゆっくりになるような気がしたりします。
残念ながら今実際に世界を旅することは叶いませんが、食を通して感じることはできます。食は異文化を理解し、人と人の心の距離を縮める最高のツールです。場所は違えど、世界は今同じ時を生きています。オリンピックのない4連休は、おうちでツレヅレハナコさんのレシピを作って、その国の生活に思いを馳せてみていただけたらうれしいです。
▼ツレヅレハナコさんのレシピはコチラ
それではまた。
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