見出し画像

ECサイト運営のWeb担当だったときを振り返る

みなさんこんにちは。Amazonコンサル会社ブルーグースの及川です。

私がECと関わりを持ったのは、2006年に千葉県成田市にあるサウンドハウスという楽器ECの会社で働かせてもらったのがきっかけです。

今でこそAmazonコンサルティングの会社なんてものを経営していますが、2006年当時はWebマーケティングはもちろんHTMLもWebデザインもど素人レベルの知識しかなく、サウンドハウスでは物流倉庫のいち作業員として入社するのがやっとでした。

夏の暑い日も冬の寒い日も、ほとんど屋外のような倉庫で商品の梱包をしたりピッキングをしたり、コンテナで届いた大量の商品の荷下ろしおしてカウントしたりする毎日でした。

その当時はまだ通称「激箱」と呼ばれるダンボール箱で商品を梱包しており、そのダンボール箱を近所のスーパーに回収しに回っていたのはいい思い出です。

Webの仕事

そこから紆余曲折あり、入社から2年くらいで「Web」という場所に異動させてもらえることになりました。

Web部に異動して初期のころの仕事は、新たに入荷した商品の撮影、画像編集、商品ページへのアップや、ニュースコーナーの更新、簡単なバナーの作成などで、ここでもやはりWebマーケティングというよりはEC運営のフロント側の現場作業というほうが近かったと思います。

しかし、商品の写真撮影は非常に奥が深く、ある程度のクオリティであれば、やり方を教わればだいたい誰でもできるような業務内容ですが、より早くより綺麗な写真を撮影するには様々な知識と工夫が必要です。

特に一番苦労したのは光沢のあるギターなどです。正面から撮影するとどうしても自分自身や撮影するカメラが映り込んでしまうので、それらを白い紙で覆ってみたり、映り込んだものをPhotoshopで修正したりとかなり手間がかかっていました。

何とか改善できないかと考えていたところ上司から様々なアドバイスをもらうことができ、光沢のあるギターでも被写体に何も映り込まず、かつ3つの異なるアングルの写真を同時に撮影できる環境をつくることができました。

しかもそれらの写真は撮影と同時にPC(ネットワーク)に取り込まれるのでSDカードの抜き差しも必要がなく、1つの商品を撮影するのに最低でも20分かかっていたのが3分で撮影できるようになったというくらい早く撮影できるようになりました。

Webマーケティングって?

そんな現場作業をこなす毎日も1年ほど過ぎると自分の先輩方が退職していってしまい、私がWeb部の実質的なトップになってしまいます。
そこで、部署として会社の売上にどう貢献するかというプレッシャーを直接的に受けるようになりました。

そんな状況になってようやくWebマーケティングという世界があることを知るくらいの知識量だったので、何をやればどのような結果になるのかなどの予測もまったくつかず、ちょっと調べてはすぐにそれを試してみる、気になったことは何でもやってみるという具合に仕事に取り組みました。

メルマガは送って終わりではなく開封率やクリック率を意識しなければいけないとか、SNSはコンバージョンより認知拡大に向いているメディア(今はだいぶ違う部分もあると思いますが)だとか、SEO対策はすぐには結果がでないけど小さな変化が時間と共に大きなトラフィックにつながるとか、こういったことを自分の言葉で語れるようになったのは、それを実際に自分が現場で頭を悩ませながら改善に取り組んできたからだと思います。

そこにはたくさんのトライとたくさんのエラーがありましたが、怒られることも多々ありつつもそれを許してもらえる環境であったのは非常にありがたかったです。

他にも、個人情報流出事件で全社一丸になって対応したり、社屋と倉庫の移転を社員だけで完了させたり、社宅の庭の草刈りをしたり、フルマラソンに参加させてもらったり、剣山に登ったりと、Webにまつわるありとあらゆることを経験させてもうことができ本当に感謝しています。

ECサイト運営担当者に求められるものとは

EC担当といっても、フロントエンド、バックエンドで役割は大きく異なりますが、前述のとおり私の場合は特にフロントエンドの仕事をさせてもらいました。

そのフロントエンドの仕事としてのECサイト運営の担当者として必要な要素を1つ挙げるならば、想像力ではないかと思います。

以前、サイト分析の権威であるハッピーアナリティクス社代表の小川卓氏の講演を見に行ったことがあるのですが、そこで小川氏は「どんなサイトでも最初から数値的なものは見ずに、まずは自分の感覚でWebサイトを使って違和感をリストアップする」みたいなことをいっていました。

私もこの意見には賛成で、デジタル化が進んでいるのだから何でもデジタルなツールで分析して課題を見つけて解決できる、と思っている方が多いように感じますが、そんなことはないと思います。

分析ツールで数値化された値は、ユーザー一人ひとりの感情を伴った行動であることを理解できなければどこまでいっても画一的で独りよがりなWebサイトになってしまうのではないでしょうか。

そんなユーザーの感情に寄り添い、ストレスなく心地よく買い物をしてもらえるよう、ECサイトを常に改善していくことがEC担当者の役割であると思っています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?