上げ下げ
2/28にオーディション動画を撮って送った。1人じゃ動画撮れないと思い、同期の「みむ」君を誘った。
カメラマンやってもらう代わりに俺も撮るからさ〜
みたいな。
前々から20本必死に渾身作を仕上げ、当日その中でも選りすぐりの6本を撮った。
本当は全部やりたかったけど、意外と時間かかってできなかった。
でも正直自分の中で好きな良いものができてかなり期待していた。
みむもその場でちゃちゃっと考えたネタを撮って、一応送ると言っていた。
今日の昼結果が出て、俺は落選。
みむは受かっていた。
もうどうしようもない悔しさ。
本当に悔しい。
まじで嫌だった。
なにこれ。
これは、俺の存在の否定と同義。
おそらくオーディションはかなりの人数送られてきたであろう。
その中で合格者はほんの数名ほどだった。
メンバーの中にはテレビで観るメンツも観た。
その中にみむの名前があった。
俺は今でも自分の動画もいいと思っている。
もちろんみむの動画もよかった。
近々多くの人の目に触れるようになるだろう。
最近みむと10〜20近く離れていたフォロワーの数がやっと追いついた。
「にこにこ笑顔でわっはっは」というかなりでかく、メンバーもいいライブに呼んでもらえて、フォロワーが一気に増えた。
みむのネタが多くの目に触れればまたかなり差を付けられる。
自信あったうえに、そんな相手に敗北し、かなりしんどい。
今日はかなり食らっている。
そして今日ライブ手伝いがあった。
みむも手伝いをしてた。
客席は満席。
テレビ出てるような有名な先輩方もいて、客席はバッコンバッコン大爆笑。
ああ。プロってすげーな。笑いで金稼ぐってこういうことだよな。
全組かなりウケてた。
俺が出てたらこんなにはなってないだろうな…
帰りみむと帰っていたら、先輩に飯に誘われた。
人間横丁というテレビに出始めている同期の芸人と、売れるために色々活動してる先輩2人。
先輩、人間横丁の席と
先輩、みむ、俺の席に別れた。
先輩は俺の左にいて、その向こうに人間横丁の席があった。
人間 みむ
■■ ■■
先輩 先輩俺
こっちの席で、先輩は、みむに対して「あおいちゃん(みむが組んでいるコンビの名前)は面白いからそのままいけば上手くいくと思う。まじで面白いから自信持って」と何度も言われていた。
そこで「俺は?俺は?」
といつもなら入っていっただろうけど、今日は既に食らっていたので、
「お前は面白くないよ」
と言われたら自分が完全に折れてしまうのが自分で怖くなり、身を引いてしまった。
少しして、みむが帰ると、俺の左隣の先輩は向こうの席と話していた。
先輩は完全にこっちに背を向けている。
席の構造上仕方ないけど。
またこれに食らってしまった。
かなりダメージを受けた。
なぜなら、先輩はまったく悪気とかなく、いつも良くしてくれてる良い先輩方だ。その方が食い終わって楽しいおしゃべりの時間を費やすのに、俺との会話は適さないと無意識にでも思われているということだ。(意識的にだったとしても傷付くけど、たぶん普通に向こうでしゃべった方が楽しいからこうしてるみたいな自然な感じ)
先輩からしたら俺はしゃべる価値すらないと思われてるんだと感じてしまった。
そんなこと言ってないし、めちゃくちゃ良くしてくれてるけど、一緒に時間を過ごすなら俺を選ばない方が幸せだと。そう思われているのがとてもつらかった。
先輩の背中越しに話を聞くが、向こうの席の話も、「こんな活動してるんだけど」みたいな変わった経験の話をしてて、その中で笑いを入れて喋ってて。
「人間横丁も王道路線で行っててすごいよ。尊敬すらしてる」とまた同期が評価されていた。
俺は会話にすらまともに入れないけど、同期は尊敬されていた。
※先輩に対しての悪口や陰口ではなく、周りからした自分の価値のなさに絶望しているという文です。
先輩方ももちろんいろんな活動してて、「この前行った番組で…」
「このライブが…」
「今こういうこと考えてて…」
とか売れるために具体的に色々考えていた。
そりゃ俺を誰も見てくれないわけだ。
俺はこの人たちみたいに戦略を立てて、本気で売れるために動いていた自信がない。
何も考えてない何も持ってない俺の話なんて誰も聞きたいはずがない。
俺も何か聞かれたときは
「◯◯こう思います」と返したけど、トンチンカンなこと言ってて、
「???」ってなってた。
人間横丁が「そういうことじゃないんじゃない?笑」
とフォローしてくれたけど
何かもう俺は会話もできない。
価値もない人間。
俺はこの25年間何やってたんだろう?
誰か俺に本気で価値あると感じてる人いるのか?
俺気持ちが上がったり、下がったりの周期がある。これは中学か高校のときからあった。
1つ上手くいくとどんどん調子良くなって、俺なら何でも成し遂げられると思う時期が来る。そこから一歩失敗するとズルズル絶不調になって、自分は何もできないと落ち込む時期が来る。
それは時間や運でたまたまの出来事でランダムにグルグル回るもんだと今まで思ってた。
でももしかしたら、ずっと俺の位置や価値は変わらずに、見てた場所だけが変わって意識が変わってただけなのかもしれない。
俺が調子いいときはただ、俺が井の中の蛙だったとき。
高校1年の陸上部。俺は1年のエースと もてはやされた。
初めての大会で1年で唯一県大会に行き、近隣の高校との合同夏合宿ではMVPに選ばれた。大会に出るたびグングン成績も伸びていった。
このまま毎日引くほど走ったら、3年で俺は伝説になっちまうんじゃないかと思っていた。
1年の冬。合同合宿で、関東大会レベルの人たちと練習した。
長距離で1周1km近くあったはずのコースで初めて付いていけず、挙げ句の果てには、1周抜かしされた。
折れた。初めてだった。
俺が一周抜かしすることはあっても俺がされることはなかった。俺はこのレベルと戦ったら、相手になんないんだな。と絶望した。
しかもこの人たちも決してNo.1ではない。もっと上はめちゃくちゃいる。
陸上は他スポーツと違い、数字で実力が出る。
サッカーやお笑いのように役割別の能力や評価、「俺にはこれがあるもんなぁ」みたいのもない。
ここから俺はまったく伸びなくなった。
それまで練習終わりも学校から家まで7〜8km荷物持って走ったり、もっと遠い友達の家まで走って行ったりと頭おかしいほど走ってたのも気付いたら辞めていた。
大海を知った蛙は、泳ぐことをやめた。
蛙は井の中でも、大したことなくなった。
同じのやつらがどんどん頭角を現してきた。
高3の最後の大会。唯一俺だけ県大会に出られなかった。
俺は大海を知ったら途端に泳ぎをやめてしまうのかもしれない。
養成所でもそうかもしれない。
最初のライブではトップの成績だった。
養成所生ながら、事務所ライブに出られる特別枠にも選抜された。
このときは俺がNo.1だぜ!と思っていたかもしれない。
しかし、一度評価が下がると低迷した。
何とか食らいついて所属できたけど、所属組の中だとビリ所属だと言われた。
入る前の想定とはかけ離れていた。
最近は、周りのコンビが解散して急遽ピンで活動せざるを得ない人たちが増えていた。
急遽放り出されたその人たちは、道も分からずに、でもがむしゃらに芸を披露していた。
俺はその人たちを見てどこか慢心があったのかもしれない。
変な勘違いをして、俺の方が上だと無意識に驕り高ぶっていたのかもしれない。
その順番に訪れる上げ下げの波がまた今日蛙を襲った。
俺はずっと、1位でもビリでもない、中途半端なポジションに変わらずいるだけなのに。
井の中を見て、お山の大将になった気分になり。大海を見て絶望する。
同じ場所にいるのに勝手に見方を変えて一喜一憂している哀れな蛙だ。
これまでの俺は大海を見たら泳ぐのをやめた。
でももう逃げることはできない。
中学ステージから高校ステージに移るときに、蛙は何も知らない無垢なおたまじゃくしに戻って井戸に入る。
高校から大学。
そっから養成所入り、お笑いの世界へ。
自分で選んだここで泳ぎたいと決めた最後のステージなんだ。
次のステージはない。これ以上は逃げられない。
1番険しい海に来てしまったかもしれないけど、自分で選んだステージなので、最後は大海を見ても泳ぐことをやめず、逃げずに、じたばたしていたい。
俺はもっとプロのネタを分析して、
月3本新ネタを卸し、週一でラジオをあげ、TikTokも始めて行きたいと思う。
まじで、もう戻れねぇんだ!がんばろう!
俺のTikTokみてくれ〜
www.tiktok.com/@nude.www