書き続けてください、という呪い(6 自分の悩み)
書き続けてください、と初めに言ったのは誰だったか。わたしを文芸部に誘ってくれた彼女かもしれないし、その顧問だったかもしれない。あるいは、別の誰かが。
覚えているのは、高校3年生の夏、文芸コンクールでのことだ。
文芸誌の片隅にほんの申し訳程度に寄せた、提出するつもりもなかった「随想」と呼ぶには不恰好すぎる文章。それを、なんとも幸運なことに、選考委員のお一方が、目をかけてくれたらしい。「書き続けてください」。本来であれば選考対象ですらない文章に対してかけられたその言葉を、わたし