こんにちは、カモシカです。 前回の記事ではホスホロアミダイトの化学構造について説明しました。 今回の記事ではDNAのホスホロアミダイトの中でも、最も簡単なチミジンのホスホロアミダイトの合成法について紹介したいと思います。 チミジンのホスホロアミダイト ホスホロアミダイトとひとくちに言っても核酸塩基の種類によってその合成経路は異なります。なぜなら塩基保護が必要なものとそうでないものがあるからです。今回は塩基保護を必要としないチミジンのホスホロアミダイトの合成について紹介しま
【核酸豆知識】 HACHIMOJIという人工塩基が開発されている。
先に断っておくがこれは親子丼の話ではない。ぼくの哲学の話である。しかし、ぼくの哲学について語る前にぼくという人間の”ひととなり”を知っておいてもらいたい。 ぼくは子どもの頃から計算高い人間だった。ぼくが小学生のころ、水泳の授業の前日には水泳カードというものに親からサインをもらう必要があった。体調に問題がないかを確認するためである。ある日、小学1年生のぼくは水泳カードを学校に忘れた。その時ぼくは母に対してこう言った。水泳カードを忘れたから連絡帳にサインをしてくれ、と。もちろん
こんにちは、カモシカです。 今回はDNAのアミダイトの化学構造について説明したいと思います。 それではいってみましょう! ホスホロアミダイトとは ホスホロアミダイトとは核酸の化学合成法であるホスホロアミダイト法で用いられる核酸の合成モノマーのことです。通常、アミダイトと略して呼ばれることが多いです。図1にホスホロアミダイトの化学構造を示したので実際に見てみましょう。 なんだかお化けのような化学構造ですね。。ぱっと見ただけだとなにがなんだかという印象を受けるかもしれま
こんにちは、カモシカです。 本稿は記念すべき核酸化学講座の第1回ということで、核酸の化学合成法について説明したいと思います。 核酸の化学合成法 これまでに、ジエステル法・トリエステル法・ホスファイト法・H-ホスホネート法・アミダイト法をはじめとした数多くの核酸合成法が開発されています。これらの合成法の中でも、収率・操作性・再現性・実用性に優れるアミダイト法が現在の核酸合成法の主流となっています(1-2)。この手法では、図1に示すサイクルを繰り返すことによりCPGと呼ばれる
#未来のためにできること 自分で作れないということは、本当には理解していないということだ by Richard Feynman これはアメリカの天才物理学者リチャード・ファインマンの言葉である。 彼はとても優れた人間でありながら、上記のような言葉を残すほどサイエンスに対しては誠実な人間でもあったそうだ。ちなみに、この言葉は元研究者であったぼくの座右の銘でもある。 ぼくは大学4年時に研究室へと配属されてから、6年の月日を研究に費やしてきました。いま振り返るとよき思い出です