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犬の世話

私はすこぶる生き物の世話が苦手だ。

育てたいと思って何度も植物を買って、しっかり栄養を与え世話をしても、何かとからしてしまったりカビが生えてだめになってしまったりする。
このくせは、思えば小学生の頃からだった。

私の実家では常に犬を飼うのが恒例になっていた。
小学生の頃に飼っていたのは、イタリアングレーハウンドとボストンテリア。
本来なのであれば家の中で飼うはずの犬種なのだが、タイミング悪く妹たちが生まれてしまったため外で飼うことに。

しかし、私はどうしても態々外へ餌をやりにいかなければいけないのがめんどくさくてしょうがなかったのだ。

結果的に本当に反省しているのだが、晩ごはんをあげないときだってあった。
いつも見て見ぬふりをしてしまう存在になり、小さい頃から一緒にいたはずなのにどんどん距離が生まれていく。
あのときの犬たちには申し訳ないことをしてしまったと猛省しており、今も生き物を飼わない理由になっている。

大人になり一人暮らしを始めた後も、正直生き物を飼う気にはならなかった。
それこそ植物などで試してみるのだが、結局毎日水やりをしていてもだめになってしまうことがあったから。

夫は以前植物に関する仕事をしていたため、「水のあげすぎ」「空気の入れ替えをしていないから」とたくさんのアドバイスをくれた。
きっと指示通りに育てることができれば、大きく育つのかもしれない。
しかし、もう生き物を新しく迎える気にはなれないのだ。

やはり昔の記憶の後ろめたさはもちろんのこと、後悔が何処かにあるのだろう。

娘がもし生き物を飼いたいといったとき、その時は実家で生き物を育てることの大切さを学ぶ合宿を開いてもらおうと思っている。
今でも実家には4匹の犬たちが生活しているので、きっと学びになるだろう。

生き物を育てるということは、非常に責任が伴い、悲しいことが待ち受けていること。
だから、私は生き物を飼わない。

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