殺し屋
その殺し屋は、ニューヨークのマンハッタンにいた。
マンハッタンといえばなんだろうか。
そもそもマンハッタンは、人口密度の高い、世界の主要な商業、金融、文化の中心地の 1 つだ。
エンパイアステートビルをはじめとする超高層ビルや、広大なセントラルパークなどが有名であり、いつも多くの人に溢れている。
そんなマンハッタンの高層ビルの上にある屋上にいたスラッとした女性。
この女性こそ、殺し屋なのだ。
彼女は3人の男と共に、4人の死体を引きずり出す。
その死体は死後数日経過しており、この殺し屋が始末した今回の仕事でもあった。
すると殺し屋は、突如ベルトコンベアーに乗せてこの死体を屋上から落とし始めた。
マンハッタンのごく普通の日常からは、「キャー!」「なんなのこれ!」と悲鳴が鳴り響く。
では、どうして殺し屋は被害にあってしまった4人を殺したのだろうか?
それは、この4人もまた殺し屋だったからだ。
おまけに女性に幾度となく粘着し、「付き合ってくれないと殺す」と言い寄っていたことも関係しているのだろう。
死体を屋上から落として数分後、警察が女性の下へやってくる。
共犯者である女性の周りにいた男性たちは、あっけなく逮捕。
女性はというと、直ぐ側に排気口に隠れてしまった。
「あぁ、どうしよう」
これからの行動を迷っていると、隣に2歳ぐらいの女の子がうずくまっているのを見かけた。
すると女性はすぐに近くにあったハサミを取り出し髪の毛をザクザクと切りはじめる。
そして、女の子の手を取り、警察の目を掻い潜って逃げることに成功したのだ。
その後どうしようかと迷っていた時のこと。
「さぁ、このエレベーターで下に行けます。乗ってください」
女性はビルの管理オーナーだと思われる人の言うことを聞き、エレベーターで下に降りることにした。
きっと逆らったらめんどくさいことになる、そう思ったのだろう。
もちろん女の子を連れて。
しかしそのエレベーターの部屋は、ガス室のようになっており、乗っていた全員が薬で眠らされてしまう。
数分後、目を覚ますと密室の船の中にいた。
そこにはもちろん女の子もいたため、女性はすぐに抱きしめ安否を確認。
すると、船の上部からこんなアナウンスが流れ始めた。
「これからお前たちは漂流してもらう。自分の力で生き延びろ。」
女性は「どうして私が・・・数時間前には死体を処理してマンハッタンを恐怖へ陥れたのに」と衝撃を受けていた。
しかし、冷静に乗客に向かって様々な質問を始めたのだ。
「薬を飲まなければいけない人はいますか?」
「今気分が悪い人はいますか?」
「食料がある人は助け合いをしてほしいです」
そう、殺し屋の女性はサバイバル経験があったこともあり、乗客たちへ重要事項を聞き始めていたのだ。
周りの乗客たちは次第にこの女性を信じ始め、「この女性についていけば・・・!」と希望を持ちはじめる。
そして半日たったころ、とある看板が見え始めた。
そこにはなんと、「ZAOU」と書かれており、山形県の蔵王に到着したことを意味していたのだ。
女性は日本人だったこともあり、「ここは私がよく知る日本です!」と乗客たちへ説明してこの不可解な船を降りた。
外国人の乗客たちには空港への行き方を説明し、女性は女の子と二人っきりになる。
すると女の子が口を開いてこういった。
「私のお母さんは殺されてしまった。でもあなたはお母さんによく似ている。」
ここでふと私がベットにいることに気がついた。
そう、これは今日見た不可解な夢の話。