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【本のこと】「ヒュナム洞書店」に行ってみたくなった。
私は本屋さんに、なにか疲れていたり、なにかないかなと、求めるような気持ちになったときに行く。本屋さんは「なにか見つけたくて行く」そんな場所。電子書籍を読むことも増えてきたけど、本屋さん好き。
「安心」できる
ヒュナム洞書店は、小さな本屋さんだけれど、そこに集まる人々の思いがつまっていて、まるで誰かの家に招かれたような安心感があるお話。
小さな本屋さん「ヒュナム洞書店」店長であるヨンジュは、本が大好きで、この本屋をだれでも安心して来られる場所にしたいと思っています。
優しい言葉ですくわれる
この本屋さんにも、仕事や友だちのこと、家族のことなど、いろいろな悩みをもった人たちがやってきます。みんな、自分の気持ちをうまく言えなかったり、どうしたらいいのかわからなかったりして、ひとりで悩んでいます。
でも、店長ヨンジュのやさしい言葉や、本を通じた出会い、ほかのお客さんとの交流を通して、少しずつ気持ちが楽になっていきます。そして、それぞれが自分にとっての「幸せ」を見つけていく。
ゆっくりゆっくり進む
物語は、とてもおだやかで、ゆっくりとした語り口で進んでいきます。何か大きな事件が起こるわけではありませんが、小さな本屋さんの中で交わされる会話や、人と人とのつながりが、読んでいるうちに心にしみこんできます。
読んでいるこちらも、まるでヒュナム洞書店にいるような気持ちになり、ヨンジュやお客さんたちといっしょに、悩んだり、考えたりしながら物語を自然と楽しんでいることに気が付きます。
韓国文化
この本には、韓国の文化や考え方もたくさん出てきます。とくに、韓国は強く家族のことを思うそんな国民性なのだと思っています。韓国ドラマからの刷り込みですが、親を敬う気持ちは本当に深くて、韓国の時代劇が好きなのですが、ほんとに命がけで親を大切にする。それは日本人にもあるのだろうけど、すこし違いがあるように私は感じてしまいます。
家族の関係や、仕事の悩みについての描写は、日本に住む人たちにもなじみのあるものが多く、「こういう気持ち、わかるな」と共感する場面がたくさんあります。
この場所が大事
本屋さんがただ本を売るだけの場所ではなく、「人が安心して過ごせる、大切な場所」として描かれているのも印象的です。
この本を読んだあと、
「幸せって、遠いところにあるんじゃなくて、すぐそばにあるのかもしれない」と思えるようになります。
人っていいな
日々のくらしの中での小さな幸せや、人と人とのつながりの大切さを、あらためて感じられるかもしれません。
心がつかれたときや、ほっとしたいときに読むと、やさしい気持ちになれる、そんな一冊かなって思います。