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vol.9 カフェフロンテの思い出 三宅芙沙先生
名古屋大学メールマガジンNEXTをお読みいただき、ありがとうございます。キャンパスも紅葉が進み錦秋の季節を迎えております。
さて今月は、数か月ぶりに「名大で初めて○○した日」シリーズをお届けいたします。宇宙地球環境研究所にて宇宙線生成核種、太陽活動を専門とされている三宅芙沙准教授に、在学時代を過ごされた「カフェフロンテの思い出」についてのお話を寄稿いただきました。
三宅先生は名古屋大学理学部を2009年にご卒業、修士・博士も名古屋大学で修了されております。
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~カフェフロンテの思い出~
このお話をいただいた際、学生の頃を思い巡らせても、ほとんどの記憶があいまいであった。それもそのはず(?)、名古屋大学へ入学してからそれほど時はたっていないと思っていたのに、すでに20年近く経過していた。本稿では比較的記憶に新しいカフェフロンテの思い出について振り返りたい。
カフェフロンテは私が学部2年生の頃、理系地区の食堂(現在フォレスト)の隣に本屋(ブックスフロンテ)と共に新しくオープンした。現在は名古屋大学にいくつかのカフェがあるが、当時はほとんどなく、お洒落でおいしいコーヒーやケーキ、軽食が楽しめる空間が新鮮だった。さらに本屋まで隣にあるのだ!本好きの私にとって、大変魅力的だったのは間違いない。物理学科の授業は、理系地区(理学部B館C館、理学館)中心だったので、講義で疲れた頭を癒すために、近くにあるカフェフロンテをよく利用していたような気がする。
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そんな中、友人からカフェフロンテの夕方バイトを募集していることを聞き、私も応募し幸運なことに採用された(アルバイトを勧めてくれた友人Rさん、面接してくださった店長さん、ありがとうございます!)。はじめは新しい仕事内容ばかりでお客様への声掛けに緊張し、レジ打ちさえままならなかったが、慣れてくるにつれ、効率よく仕事を回すことに快感を覚え、いつしかアルバイトがとても楽しみになっていた。博士後期課程の途中までこのアルバイトを続けていたが、研究や進路などで鬱屈した気持ちになってもアルバイト含めカフェで過ごす時間のおかげで気分を切り替えることができたようにも思う。思い返してみると、最初の投稿論文を書いていた頃まだアルバイトをしており、バイト後の帰宅時に、名城線で論文執筆を進めていた(その時間、金山方面の名城線は空いていて、周りを気にせず集中できたのだ)。その論文は、現在も研究を続けるきっかけとなったもので、カフェフロンテのアルバイトによるものかもしれない。
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常連のお客様の中には、コーヒーと共に、書き物や議論など(おそらく)研究を進めていらっしゃる方々がみえ、なんて優雅なのだろうと憧れに思ったものである。残念ながら現在に至るまで、そのような優雅な時間をほとんど取れずにいる。疲れ気味の日常をリフレッシュするためにも、カフェでのひと時が必要なようだ。