NU Students file #7 ホームカミングデイ特別号 法学部3年 岩倉侑さん
学生の活躍をお届けしている「NU Students file」第7弾!
今回は、法学部3年の岩倉侑さんをクローズアップいたします。
岩倉さんには、昨年に引き続き今年度の名古屋大学ホームカミングデイ企画「名古屋大学の集い」でも司会をご担当いただく予定です!
DO室と岩倉さんの出会いは、昨年のこと。DO室主催で開催したキャンパスコンサートやホームカミングデイにおいて司会をご担当いただける学生さんを探していたところ、「SBF 中日本学生放送連盟」(以下、SBF)を介してご紹介いただいた学生さんが岩倉さんでした。現在は「SBF」と「名古屋大学防災サークル轍」の2つの代表を務め、個人では東日本大震災の語り部としても活動されています。
そんな多方面で活躍されている岩倉さんに、現在の活動についてお伺いしました!
「声」から始まるアナウンスの道
「元々、声に関する活動がしたいと思っていた」と岩倉さん。進学された高校が放送部の強豪校だったこともあり、高校の時からアナウンスを始めたそう。高校時代は団体の部でコンクールの全国大会に出場したことも!
現在所属されているSBFは創立から70年(!)の歴史あるサークルで、入学前からご存知だったとか。SBFはアナウンスチームと機材のチームに分かれており、これまでは主に別々に活動をしていましたが、最近は両チームが共同で行う活動が増え、合宿等も復活しているようです。他にも、YouTubeで配信を行ったり、学生ラジオ局から声がかかったりと充実した活動ぶりがうかがえました。
「防災を学びたい」思いを胸に名古屋へ
実は宮城県がご出身の岩倉さん。幼少期を宮城県石巻市で過ごし、小学2年生の時に東日本大震災で被災。以来、「防災を学びたい」という思いを持ち続けていました。そんな岩倉さんが進学先に選んだのが名古屋の地。「被災地から学ぶのではなく、今後高確率で大地震の到来が予測されている場所であれば、防災のことを熱心に勉強されている方が多いのではないか」と考え、名古屋への進学を決意されたのだそうです。震災後の状況を踏まえるとその道のりは決して順調ではなく、「大学進学できるだけでも奇跡に近い、本当にありがたいこと」とお話しされていました。
東日本大震災の語り部として
そんな岩倉さんは今、東日本大震災の語り部として、東海地区を中心に防災イベントや学校現場等で講演活動をされています。
「きっかけは、ボランティアとして参加した防災のイベントで出会った名古屋青年会議所(JCI)の方との会話。お話の中で『実は被災していて…』と伝えたところ、JCIが行う『防災委員会の定例会で話してほしい』と頼まれた」とのこと。「単発の活動になるかな」と思っていたら、定例会でのお話を聞いた方からまた別の講演依頼が。さらに、その様子を新聞に大きく取り上げられたことで、大学1年生の後半からは月に1度のペースで依頼が来るようになったのだそう。
これまでに、行政や学校現場、防災団体の定例会やイベント等、様々な場所でお話をされていますが、昨年度末にはその活躍が認められ、2年生にして「名古屋大学総長顕彰」を受賞されました!
震災の経験と最新の備えを今に伝える
ここで、岩倉さんが語り部としてどのようなお話をされているのか、少し聞かせていただきました。
岩倉さんのご出身は宮城県石巻市の中でも海側の南浜地区。東日本大震災の地震・津波の被害は被災地の中でも最も大きい場所の一つと言われており、当時10メートル越えの津波がやってきて、岩倉さんのご実家や通われていた門脇小学校の1・2階部分など、この地区の建物はほとんど流されてしまいました。そんな中でも元々避難の文化があったことから、奇跡的に学校や企業の管理下で犠牲になった方が一人もいなかったそう。
その後、国の主導で福島・宮城・岩手の3県に、各県で一番被害が大きかった場所に復興祈念公園を作ることになり、この地区は現在「石巻南浜津波復興祈念公園」として整備されています。当時岩倉さんが通われていた門脇小学校は、「震災遺構」として祈念公園の横に建っており、教訓を後世に伝え継ぐために公開されているそうです。
語り部としての活動では、こうした震災の状況や教訓、避難生活の様子などをお話し、地震・津波の恐ろしさを伝えていらっしゃるとのこと。
また、岩倉さんがもう一つ大切にされているのが「最新の情報に目を向ける」ということ。「震災は12年も前のことなので、日本の状況も変わっていて、古い情報もある」と言われ、考えていると政権を握っていた与党は今とは異なっていたし、「スマートフォンはあまり普及しておらず、ガラケーが主流だった」と岩倉さん。過去の災害から学ぶことはもちろん、現在の社会に合った対策をしていく必要性を教えていただきました。
ホームカミングデイの司会に向けて
語り部の活動をはじめ、多方面で活躍されている岩倉さん。最後に今年のホームカミングデイに向けた意気込みをお伺いしました!
「今年は雰囲気がわかっている分、少し進歩した状態で担当させていただければと思っています!」
今後のご活躍も期待しています!