生い立ち、もろもろ。
私の実家は、自営業だ。
父の実父と実母、つまり祖父母が始めた小さな商売を継ぐ形の家族経営である。
マイペースな父と破天荒で自由な母のあいだに、ひっそり、ひとりっ子として育った。
自宅は祖父、祖母、父、母、私の5人暮らしだった。
そう・・・二世帯住宅だったのだ・・・。
祖母vs母、祖父vs母、父vs母、母から私への一方通行バイオレンス、のいずれか、もしくはそれらの複数が毎日繰り広げられる暮らしの中で育った私は、今や立派なHSPに仕上がっている。
母のバイオレンスは、それはそれはなかなかなものだ。
その昔、私は小学校に上がる前の就学前検診の聴力検査で引っかかった。
「右耳が聴こえていません」
へ???
そのあとすぐ、耳鼻科へ行かされた。検査の結果、右耳の鼓膜が倒れていたらしい。
まちがいなく母にぶっ飛ばされた衝撃だ。鼓膜が倒れる衝撃ってなんだろうな。格闘家なの???
そんなこんなで、ちょっと「アレ」な家庭環境で育った私は、寸分の狂いもなくHSPとなり、その仕上がりは、それはそれは良い仕上がりとなっている。
生きづらさ???
ん???
私は他人になったことがないからそんなものは全くわからないけれど、小さい頃から外界に触れると毎日ヘトヘトである。だから毎日、良く眠る。
不眠、便秘とは無縁であるが、過眠、下痢とは往年の大親友である。
そして、母とのバトル全戦全勝の祖母は、私が13歳の時に認知症となり、毎日かわいく街中を練り歩いた。
こんな環境で育った私は、幼稚園から高校まで本の虫であり、ぶっちぎりのスクールカースト3軍だった。
自分の愛想のない顔が大嫌いで、鏡とカメラは私の天敵だ。
こうやって、生まれてからお多感な高校卒業までの18年間を、虫の音しか聴こえない、町内会が過激な、ド級の田舎で過ごした。