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ワインのお話(Vol.1)

皆さんこんにちは、若者に色々役に立つ情報をたまに呟いているおじさんです。

以前、アホみたいに働いて、アホみたいに稼いでいた頃、散財した中にワインがあります。神の雫というコミックでも触れていましたが、ある程度まとまったお金が手に入ると人はなぜかワインを飲むようになります。作中でもやはり触れていますが、ワインを飲んだときにテイスティングコメントをしますが、ワインだけはなぜか味や香りの表現だけにとどまらず、その世界観や湧き上がるイメージについても口にします。「豪華客船」「ラッフルズホテル」「バリ島」ワインの特徴から導かれる景色を主人公は口にします。多分この行為は、自分の感情を言葉にして人に伝える行為であり、多くの人生経験を経た人がやはり自分の人生経験を言葉に置き直すという行為に似ていることから、ワインにのめり込んでいくのでは無いだろうか。結局人は自分自身の体験を誰かに共有することに喜びを見いだす生き物なのかもしれません。

では、下手の横好きの僕の場合はどのレベルまでいけたかというと、香りや味わいを言葉にすると言うところまでは行くことができましたが、やはり公明なテイスターのように様々な匂い、味、シチュエーションを経験しているわけではないので残念ながら豪華客船のような表現には至ることができませんでした。実際ワイン好きな人と会話をするとき、共通のテイスティングコメントで話が盛り上がることがあります。「あー、あのワインは○○の香りがして、舌触りがクリームのようになめらかでおいしいですよね」みたいな話になったときに、同じワインを飲んだことがある人は恐らく共感できると思います。

タイトル回収をしなければいけないのですが、以前散財していた頃の僕は、レストランのソムリエに自分のイメージとマリアージュする料理を伝えて、ワインを選んでもらっていました。そしてワインが運ばれ、テイスティングし、ソムリエに伝えた自分のイメージを確かめ、しばらくワインを楽しみ、料理が到着するとその料理とともにワインを口にして、味や香りの変化や広がりを楽しんで、同席した人と共にワインのテイスティングコメントという遊びを楽しんでいました。しかし、その頃の熱も収まり、現在はお店で用意されているグラスワインと料理を合わせるだけで、ちゃんとワインリストからワインを選んで料理と合わせるような食の遊びをしていないなぁと思って、このnoteを書いています。

現役の頃の僕の表現で、友人に「でた、ぬししさんの○○の表現」という決まり文句があったのですが、その特徴がよく出ているのが仏のラングドック地方のラ・パッションというワインです。これは神の雫にも登場したのですが、僕はその前から近所の酒屋で見つけて飲んでいました。価格帯は1000円台の後半で購入できるリーズナブルなワインでしたが、エチケットが毎年変わるシャトー・ムートン・ロートシルトのような楽しさがあるシャトーです。グルナッシュ100%で作られる赤とグルナッシュブラン・グルナッシュグリ、ミュスカのブレンドで作られる白があります。
赤は、イチゴジャムの香り
白は、後味がバナナの皮
これが僕の定番の表現です。どちらも、ソムリエの方も使う表現なので、割とちゃんとした表現なのでは無いかと思っています。


僕が苦手なワインの香りの中に「獣臭」があります。外国人と話すと「アニマル」って言う人が多いのですが、ソムリエ達は「濡れた子犬の香り」のような表現をするワインです。これはブショネ(コルクが傷んで腐敗してしまっているワイン)ではなく正常なのですが、どうしても獣の匂いに感じてしまい、美味しく飲むことができませんでした。ちなみに、ブショネは雑巾の生乾きの匂いと金属の錆びた香りが混じり合った感じです。金属臭は、キャップシールに液だれして、更にコルクが腐食してしまった場合に強く感じますが、ワインが液だれせずにコルクが劣化してしまっている場合は、まさに雑巾の香りがします。キャップシールを開いているときに液だれ跡があるとかなりがっかりしてしまいます。液だれは保管温度が高すぎてワインが煮えてしまった場合によく発生して、それをきれいに拭き取って販売しているので、あまり良心的なお店とはいえない販売店の場合に出会う場合があります。オンラインショップなどは直接手に触れることができませんので、分からないと思いますが、実際にセラーでワインを見て購入できる場合は、キャップシールのあたりの匂いを嗅いで強い金属臭がする場合は、購入しない方が良いかもしれません。

仏の五大シャトーの一つに、シャトー・ムートン・ロートシルトというワインがあります。五大シャトーの中では格付けが一番最後になったシャトーですが、独特の香りとなめらかな舌触りでファンが多いワインです。僕は、たまたま自分の生まれ年ワイン(ワインの外れ年なんですよね)を手にすることができて、40歳の時に飲んでみました。結論としては、ムートンの独特の香りがしたのですが、この外れ年は酸が弱く、長熟には向かなかったからなのか、それともネットで購入したので保存が悪かったからなのかは分かりませんが、ピークアウトしていてお酢のような酸っぱいワインになっていました。それでもシャトーを代表するワインの香りがしました。僕は「防虫剤の香り」とか「樟脳の香り」と表現して友人に怒られるのですが、これも実はソムリエに聞くと正しい表現らしく、ムートン好きはこの樟脳の香りに惹かれて購入するそうです。2016年のムートンから新しい醸造責任者(フィリップ・ダルーアン)が初めてリリースしたビンテージなので、1本購入してセラーにしまってあります。


僕がワイン好きになったきっかけのワイン話もしたいと思います。当時、米国の企業に勤めていた僕は、西海岸への出張が多く、そのときの同僚に連れて行ってもらった中華レストランでミル貝のしゃぶしゃぶを食べながら、その同僚が注文したのが、Jordanでした。2000年以前のJordanは澱引きがされず、ボトル詰めされるため、ボトル内で更にワインにうまみを追加しているのか、とても濃厚な味わいで、一発でファンになってしまいました。ダークチェリーやチョコレートの香りに何故かまろやかになっているタンニンで、何本でも飲めてしまうワインでした。元々はカリフォルニアの高給レストラン向けに作られたワインだそうで、小売価格が70ドルくらいのそこそこ良いワインでした。現在は残念ながら製法を変えたのか澱もなくなってしまい、以前の濃厚な感じはなくなってしまいました。


皆さんも機会があったらいろいろなワインを飲んでみてください。僕と違って、豪華客船の表現ができるかもしれませんよ。

サムネはAdobeのFireflyのAI画像生成で「cheers with red wine in the beautiful sunset beach side」

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