「種まき」から始まるサステナビリティ
こんにちは!「日テレR&Dラボ」です。
今年の夏に活動をご紹介した「ふぞろいのストロープロジェクト」。
環境に優しい大麦のストローの生産現場を見学してきました。
今回はこの「ふぞろいのストロープロジェクト」に新たな動きが!
ということで、久しぶりにお邪魔しました。
行き先は栃木県佐野市の閑馬。
お会いしたのは、川元功史さんが隊長を務める「閑援隊」の皆さんです。
この「閑援隊」が「ふぞろいのストロープロジェクト」に参加することになり、最初の活動はライ麦の種まきとのこと。
前回我々は、出来上がっている大麦がストローになる過程を見学しましたが、種まきは初めての経験です!
「閑援隊」オリジナルTシャツを着て、気合が入った隊員のみなさん。
真ん中が隊長・川元さん。
ところで、この場所「閑馬(かんま)」の名前は鎌倉時代に由来するそう。
源頼朝が平家との合戦に備え軍馬を集めていたところ、中でもとびぬけて足が速く、なかなか捕まえられない馬がいたとのこと。その馬がこの土地でようやく静かになり、池で水を飲んでいるところを捕まえることが出来たという逸話から「閑馬」と呼ばれるようになったそうです。
閑馬は、都心から車で90分ほどの、豊かな森林に囲まれたのどかな町です。ヤギ、ヒツジ、ホタル、カブトムシ…と、まさに自然がたくさん!という環境なのですが、高齢化による耕作放棄地の拡大、空き家の増加など、地方が避けられない課題を抱えています。
「閑援隊」は、より暮らしやすい閑馬を目指して地元の有志が集まった地域活性化団体で、耕作放棄地で米作りに取り組むなど、様々な活動にチャレンジしています。
「閑馬を子供たちが大人になった時に戻ってきたくなるような町にしたい」
川元功史さんが熱く語ってくれました。
隊員の方は勿論、そのご家族や仲良しのご近所さんなど20人強が揃ったところで、いよいよ種まきのスタートです!
これがライ麦の種。赤いんですね!
ひとり1つずつ種の入った器を持って、畑で横一列になり、畝と畝の間の溝のところに程よい量の種をまいていきます。
ひとりあたり3本の溝を担当して、まきながら前進。
反対側まで全員が着いたらおしまいです。
なんだ簡単!楽勝です!
……と思うじゃないですか。甘かったです。
まずは、「程よい量」の「程よい」がさっぱり分かりません。
自分なりの感覚で決めた「程よい量」でまいていったのですが、真ん中あたりに到達した時点で、明らかに種が残り四分の一ぐらいになりました。
……まずい。
とっさの判断で、「程よい量」をそこから激しく減らすことにして、何事もなかったかのように黙々とまき続けることにしました。
その時、隣でまいていたおじいちゃんが呟きました。
「これは、足りない」
……ですよね!!!!
春が来た時、この畑の半分にはわっさわっさライ麦が実り、もう半分はスカスカになるんじゃないかと思うと、ちょっとどきどきします。
(きっと)程よい量の種
そして、やはり厳しいのは姿勢です。
常に屈みながら進むので、腰と太ももに、普段の都会生活ではかからない負荷がかかります。翌日が筋肉痛地獄だったことは言うまでもありません。
なんとかまき終え、看板を立てて無事終了!
そして種まきの間に、地域の皆さんが焼きそば、もつ煮を作ってくださっていました! 陽気な「きょうこさん」が持参してくれた、こんにゃく田楽や、かやくご飯もあります。
太陽の下で食べる、労働の後のごはんは最高でした!
そこに、前回取材時にも協力してくださった、就労支援事業所「Happy Happy」の五箇大成さんが、サンプルの麦わらストローを持ってきてくれました。
すると、先ほど種まきの時に「……足りない」と呟いていたおじいちゃんが麦わらストローを手に取り
「懐かしいなあ。昔は全部これだったんだよ。
最初にプラスチックのストローを見た時はね
こんなものが出来るのかって驚いたんだ。
そうかあ、またこれになるのかあ。嬉しいなあ。」
麦のストローは我々からすると「新しくてサステナブル」という印象がありましたが、おじいちゃんにとっては懐かしいもの、昔からあるものだったんですね。
サステナビリティって何なのか?ということへのヒントをもらったような気持ちになります。
おだやかな陽光が降り注ぐおじいちゃんの満面の笑みを思い返しながら、
初夏の収穫を楽しみに、我々は栃木を後にしたのでした。
日テレR&Dラボでは、一緒に新しい価値を創っていくためのコラボレーションパートナーを募集しております。ぜひお気軽にご連絡ください!
ご連絡は、TwitterのDMか、rd-lab (at) ntv.co.jpまで
R&Dラボ公式twitter ➡ https://twitter.com/ntv_rd