日テレ×Panasonic 見えないストレスを見える化するスマートミラー「ミロモ」誕生!~アイデア選定編~
こんにちは!『日テレR&Dラボ』です。
Panasonic Design FUTURE LIFE FACTORY(以後FLFと表記します)の皆さんと日テレR&Dラボとの共創チーム「TONDEMO LIFE FACTORY」のメンバーで、プロトタイプした、見えないストレスを見える化するスマートミラー「ミロモ」が、ようやくお披露目になりました!
今日からその制作の舞台裏を、全4回にわたってお伝えしたいと思います!
ミロモの制作にあたっては、私たちR&Dラボに加えて日テレCGチームも参加、そして日テレアナウンサーにも協力してもらうなど、日テレ社内から多くの協力者を得ながら一気に作り上げていきました。
これまで自分たちが作るなんて考えたことも無かった「スマートミラー」ですが、どのようにコンセプトをつくり、どのようなこだわりをもって制作したのか?
そして、パナソニック、日テレという異業種で組んだからこそ生み出せた提供価値について話していきたいと思います。
第1回目は、「ミロモ」制作に至ったアイデア選定のプロセスについて振り返っていきます。
■「決選投票」に残った3つのアイデア、選ばれたものは!?
加藤(日テレ):
ついにTONDEMO LIFE FACTORY(以下、TLFと表記します)初のプロトタイプ「ミロモ」がお披露目できましたね!
今回は「ミロモ」ができるまでのプロセスや、こだわりポイントについて、みんなで話していきたいと思います!
一同:
よろしくお願いします!
加藤(日テレ):
実はTLFのアウトプットとして、オリジナルの「スマートミラー」を作ろうということは早めに決めたのですが、「どんなスマートミラーを作るのか」についてたくさんのアイデアが出ましたよね。
当時のメモを見ると、多数のアイデアから絞った3案で「決選投票」をしていました・・・
決選投票に残った3つのアイデア
①「ペアルックマッチング」ミラー
似たようなファッションの人との出会いをマッチングしてくれる
②「ストレス除霊」ミラー
帰宅したら1日に背負ったストレスが霊のように背後に現れて、それを除霊する体操を促してくれる
③「ペット的・人格のある」ミラー
鏡自体がペットのようにふるまったり、掃除してくれとねだったり、映ってる人を少しきれいに見せてくれたりする
加藤(日テレ):
それぞれ少し振り返ってみたいと思います。
①ペアルックマッチングミラー
東江(FLF):
①のアイデアは、ニューノーマルな生活で「恋の仕方」が変わるよね~みたいな話が元になっていましたよね。それで、鏡をつかったいろいろなマッチング方法を作ってみようということで、アイデアがたくさん出てきました。
決選投票に残った「似たファッションのマッチング」も面白かったですが、自分の一番かわいい時じゃなくて、例えば「歯磨きしてるときとか自分の素の姿を見せ合うマッチング」も人気がありました。
家でこんなことできたら斬新だねとか、商業施設でこういうのあったら面白いだろうな~っていうアイデアが多く出ましたよね。
土屋(日テレ):
「恋する家電」や「恋する部屋」というアイデアもあったよね(笑)
東江(FLF):
そうです!確か、6秒見つめ合うだけで人は恋に落ちる・・・みたいな話があって。外でデートもできないし、だったら部屋にある鏡の中で見つめ合って恋に落ちるマッチング方法もあるんじゃないか?と、とっても盛り上がりました!
②ストレス除霊ミラー
白鳥(FLF):
②のような「ストレス対策」はコロナ禍での運動不足もあったので、たくさんアイデアが出ましたよね。身体を動かすものとか、笑顔トレーニングとか・・・
でも「ストレスの除霊」的なキャッチ―なキーワードが出てきて(笑)、②のストレス除霊ミラーのアイデアに集約していきました。
③ペット的・人格のあるミラー
松本(日テレ):
③の鏡自体がペット的な存在でっていうのは、私が「おかえりミラー」というのを提案して、単身赴任で寂しいお父さんが帰ってきたときに「おかえり」って玄関の鏡が言ってくれたらなごむんじゃないか?というのが発端で。
技術的に可能であれば、例えば単身赴任のお父さんが帰ってきたっていう雰囲気を察知して、鏡と鏡が繋がって自宅にいる子どもが「おかえり」って声をかけられるみたいな、コミュニケーションができるといいよねと話していました。
■実は、日テレとパナソニックで意見は割れていました(笑)
加藤(日テレ):
ちなみに、この3案で決選投票をした時に、日テレメンバーは①のマッチングは0票だったんです(笑)
東江(FLF):
そうでしたよね、このとき逆にFLFチームは①のマッチングが1位で、2位が②ストレス除霊、③のペットは0票でした。
加藤(日テレ):
両社で意見が完全に分かれましたよね、ちなみにパナソニックさんで③のペットが0票だったのは何故でしょうか?
白鳥(FLF):
ペットが鏡の中にいるのが、どれくらいライフスタイルの中で魅力的なのか?を考えた時に、ちょっと既視感があるなという話が出てましたね。
適切な例えかはわからないんですが、携帯電話にコンシェルジュがいるとか、ワードにイルカがいるみたいな前例があったからかなあと。だからペット単体で新規性の高いアイデアを作るのは難しいと感じてました。
東江(FLF):
そうですね、マッチングの方が新しいコンセプトを作れそうだなという話をしていたと思います。
今までの家ナカではできない体験ですしね、この前お話をしていた「恋のニューノーマル」みたいなコピーに心を鷲掴みにされていたんだと思います(笑)
西(日テレ):
日テレチームは、マッチングするためにはまずはミラーを量産しないとできない気がしたので①には票が入らず・・・、それなのにパナソニックさんからイチ押しで出てきたのは実は意外でした(笑)
白鳥(FLF):
確かに!よく考えたら、量産必要ですね(笑)
土屋(日テレ):
いろいろアイデアが出たんだけど、やっぱり外に出られないことで「運動不足」になり、体を動かしたい人が増えている中で、必然的に「体を動かすには」・・・っていうところに行きついたよね。
松本(日テレ):
日テレチームの投票結果は、②のストレス除霊と、③の人格のあるミラーに票が割れていて、でもこの2つはミラーの中で両立しそうだなということで、②と③をミックスしたアイデアに集約しました。
TLFの結論としても「鏡が話しかけてくれる」に「身体を動かしてストレスを解消する」の要素が加わって「ミロモ」のコンセプトができあがりました!
■共創プロセスで感じた「記名性」と「非記名性」の違い
土屋(日テレ):
途中、僕がどうしても抵抗があったのはアイデアを決める「投票」で、あれに馴染めなかった(笑)
テレビを作る側で言うと「記名性」、「誰がそれをやってるのか」はすごく大事なんです。でもやっぱりパナソニックさんなどの大きな企業だと「非記名性」っていうか、「誰」がやってるのかがわかり辛かったりもしますよね。
グループで投票していって、多いものをチョイスしていくっていうやり方に最後まで馴染めなくて・・・。これは記名性と非記名性の「作り方の違い」なんだろうなとは思いました。
東江(FLF):
そこは私もいつもモヤモヤしてます(笑)
パナソニックの中でも投票で決めることは多いんですが「投票でやるからいいってわけじゃないだろっ!」て思ってたんですけど(笑)
でも今回は、投票はしましたけど、いい意味でそれぞれの「主張」があって決まったので、それは良かったなと思いました。
白鳥(FLF):
多分「ミロモ」はPanasonicだけでは絶対に作り出せない世界観や体験だと思います。
ここまでエンターテインメント要素に振ることは私たちだけではできないので、「ミロモ」は良いコラボレーションだなと思いました。
土屋(日テレ):
逆に言うと、そういう「プロセスの違い」に気がつくのも違う業種の企業だからこそっていうのはあるよね。自分たちが、どういう思考でモノを作っているのかに気がつくのも大事だよね。
白鳥(FLF):
そうですよね、今回は投票でお互いの「面白い」の観点の違いがわかったので、それは興味深かったですね。「あっ!これって思ったより受け入れられるアイデアなんだ」とか目に見えてわかったのは良かったです。
次回は、ミロモ制作でのこだわりポイント、「日常感」と「技術」の組み合わせへと話題が続きます。
★ミロモについてはこちらのページもぜひ御覧ください!