今日の○○_20241206
ご存じの方も多いと思いますが、労働協約の基本的なところを書いてみたいと思います。
■労働協約とは
「労働組合と使用者(またはその団体)との間で締結される労働条件その他に関する協定であって、両当事者が署名または記名押印したもの」です。
労働者側の当事者として締結できるのは、労働組合で、少数組合であっても締結することができます。
(当然ですが、労働者の過半数代表とは締結できません。)
■労働協約の効力は?
②労働協約は①強行法規の次に強く、③就業規則や④労働契約がこの協約に反する場合はこれらを無効とし、補う効力があります。(これを一般的に規範的効力といいます)
①強行法規(労基法、最賃法、民法 etc)
②労働協約
③就業規則
④労働契約
そして、労働協約は書面に作成され、両当事者の署名または記名押印があって初めて効力が発生します。ですので、署名や記名押印がないと、いくら労使で合意をしていても、規範的効力は発生しません。
■適用される範囲は?
その労働協約を締結した労働組合の”組合員”に適用されます。
ただ、一定の要件を満たすと、組合員以外にもその効力を拡張して適用することが認められます。
例えば、1つの事業場に常時使用される同種の労働者4分の3以上が労働協約の適用を受ける場合は、同じ事業場に使用される他の同種の労働者にも、当該労働協約が適用されることになります。(拡張適用といいます)
他に、地域で拡張適用されることもありますので、興味のある方はご覧になってみてください。(https://uazensen.jp/2022/04/01/63743/)
■どんな効力も及ぶの?
労働協約の規範的効力は、労働者に不利なものであっても及ぶとされています。
過去の判例では、会社の業績不振により、労使で退職金支給割合を減じる労働協約が締結され、これが組合員に適用されたケースがあります。
労働協約は労使自治で決定したものであり、その労使の自治がきちんと機能しているものであれば、基本的に裁判所も介入しません。
このように、労使自治は非常に尊重されているからこそ、これらを締結する労働組合の役割は、とても重要で非常に大きな責任があるとも言えます。