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今日の〇〇 20241120
今日の満額決着について
※先に断っておきますが、NTT労組やデータグループ本部としての見解ではないですし、他の特定の労使関係を念頭に置いたものではありません。
さて、一般の組合員のかたは春闘はまだまだ先のこととイメージしているかもしれませんが(もしくはそもそも念頭にないのかもしれませんが)、私達はすでに春闘の検討に向けて動き出しています。
その中でも話題にあがるテーマとして、満額回答の賛否というものがあります。正解というものは無く、こういう考え方もあれば、違う考え方もあるよねということで、頭の体操として、ちょっと考えてみたので共有したいと思います。
まず始めに、ここは同意していただける方が多いのかなと思いますが、春闘の賃金交渉の大きな目的は、満額回答やできるだけ要求と回答を近づけることではなく、できるだけ良い回答を引き出すことです。
ex:「100円要求で100円回答」、「120円要求110円回答」、「500円要求で200円回答」のどれが好きですか?
そのうえで、、、
満額回答は、組合側が最大限の努力と工夫を凝らして勝ち取った結果かもしれない。
満額回答は、もっと良い回答を引き出せたかもしれないのに、要求が低かったのかもしれない。
労使の交渉スタイルとして、春闘要求時には概ね下交渉が完了していて、労使で認識をあわせたうえで、満額回答となるような要求にしたのかもしれない。
※そのパターンの亜流としては、会社側から「この額で要求して」と言われるようなことが、もしかしたらどこかの労使ではあるのかもしれない。
労使の交渉スタイルとして、お互いの指値を元に歩み寄っていくような交渉スタイルを採っている(その労使においては基本的に満額回答はあり得ない)のかもしれない。
※その場合、理想や想定の落とし所をめがけて、ある程度高めに”ふっかける”必要があると考えますが、それもある程度の合理性や論理が無いと、そもそも交渉にならなかったり信頼関係を毀損することもあるでしょう。
ex:こどもにお小遣いを1000円上げてほしいと言われたら「なんで?」と答えると思いますが、100万円上げてと言われても取り合いませんよね。
※また、その落とし所すら、交渉の中での感触から定めていく場合もあるでしょう。
では、我々はどうかと言うと、、、言えませんよね。交渉が不利になるかもしれないので。
仮に4点目の労使があったとして、「落とし所は100円で想定してるんだけど、200円要求するんだー」ってなかなか組合員さんにも言えません。会社側にも伝わるかもしれないので。
会社側から「ほんとの要求は100円なんでしょ?50円しか出せないですねー」なんて切り出されるような交渉が行われるんじゃないでしょうか。
また「会社側は最初50円って言ってたのが今は80円まできてるよー」なんて組合員さんに言ったことが会社側にも伝われば、「もう絶対に80円からは動かさない」なんて態度をとる会社もあると思います。
なので、そういう組合は、組合員さんにも「絶対要求通り200円取ります」って言い続けるしか無いんじゃないかなあと個人的には思います。
そうすると決着後に、組合員さんから「なんで満額じゃないのに急に妥結してくるんだ!」という意見や不満があがることも想定されます。
そうならないようにするために、超近視眼的に組合役員として楽なのは低い要求をしておくことなんですが、もちろん、そうではないですよね。
最初にお話したとおり、あくまでできるだけ良い回答を引き出すことに注力すべきです。
一方で、そのための努力や工夫が組合員さんの不満につながることもあり、非常に難しいなあと思います。
組合員さんの理解や共感のためには、順を追って交渉状況をきちんと説明することが大事だけど、説明できない(単にありのままを説明すると交渉に悪影響が出て、結果的に組合員さんにデメリットがある)というジレンマ。。
以上、架空の労働組合の話でした。
さあ、今年の春闘はどうなるでしょうか。