いない毎日 ながい一日
ありえない かんがえられない
きみがいない そんなまいにち
ありえない って いま 気づいた
傷つけたよね そうだよね
それがわからなかった
自分が傷つく 1秒前に きみを傷つけて
どっちに傷を つけるかで
迷わず きみを選んだ
自分の傷が 怖くって
きみに やいばを向けた
いない毎日 ながい一日
ありえない かんがえられない
きみがいない そんなまいにち
ありえない って いま 気づいた
きみがくる前 わたしひとりで
更衣室の窓 眺めてた
きみがきてから 眼に映るのは
きみの 細めた目のしわ
きみがいないと 声が出なくて
声が出せない 出したくもない
きみとしか 話したくない
ここで また 笑ってほしい
いない毎日 ながい一日
ありえない かんがえられない
きみがいない そんなまいにち
ありえない って いま 気づいた
きみを 傷つけない
きみに 向けるやいば
ぜんぶ 私が受け止める
それでできた 傷あとは
きみの 笑顔で 癒えていく
(文・小池太郎)