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スクラッチ開発から4年目に、未経験でCRMエンジニアに転身。開発者としての視界が一気に広がった。

エヌティ・ソリューションズのArchitectたちに、これまでの人生と現在の仕事、そして今後の展望をnoteにまとめてもらいました。今回は、DX事業部の秋元 美慧(あきもと・みさと)さんに書いてもらいました。新卒で上場企業のSIerに入社し、4年間務めた後に、2022年8月にエヌティ・ソリューションズに転職。「Microsoft Dynamics 365(CRM)」の開発に、フルリモート環境で従事しています。

演劇の世界から、IT業界へ。全く経験の無い業界に飛び込んだ方が面白い

中学や高校時代から、演劇にのめり込みました。劇団四季のミュージカルを観たときに、「なんという世界があるのだろう!」と感動したことがきっかけです。舞台の上から、俳優さんたちの息づかいが聞こえてくるのには驚きました。セリフを言う前に少し声が漏れたり、気合いを入れる瞬間があるのですが、そのリアルな雰囲気にも引き込まれました。

高校では演劇部に所属して、大学は文芸学部の劇芸術コースに進学。演劇について勉強をしていました。マンガをミュージカル化する「2.5次元ミュージカル」というジャンルが、大学での研究対象になると聞いて進学を決意したのです。授業で学んだことを、舞台の上で活かすのは楽しかった。卒業論文は、谷崎潤一郎の戯曲について書きました。戯曲を読み込み、劇場での表現と比べることで作者の意図を深掘りするのは奥深い経験でした。

ただし、深く知れば知るほど、演劇の世界で食べていくのは難しいと感じて、一般企業への就職活動を進めました。当時のアルバイト先の先輩が、IT企業に就職したと聞いて、この業界に興味を持ったのです。その先輩も文芸学部に所属していたので、「文芸学部からITに行けるんだ!」と驚いたのを覚えています。プログラミングの経験はゼロだったのですが、全く経験の無い業界に飛び込んだ方が面白いと思って、いくつかの会社を受験しました。

新卒で入社したSIerでは、製造業向けのシステム改修を担当

そして、前職の上場企業のSIerに入社したのです。人事の方が会社説明会でとても丁寧に接してくれて、興味を持ちました。「未経験でも研修がしっかりしているから大丈夫」「新卒の給料は●●万円くらいです」と包み隠さず教えてくれたのです。先輩エンジニアの座談会にも参加したのですが、女性の方もいらっしゃって、質問にも優しく答えてもらえました。面接や内定後のフォローも丁寧にしていただいて、入社を決断しました。

2018年4月に入社した後は、新人研修を経て、開発の現場に入りました。ある製造業のシステム子会社に常駐して、システムの改修業務を行うプロジェクトを3年に渡って担当。故障して窓口に持ち込まれた製品を、仕分けするシステムを開発していました。かなり複雑なシステムで、修理やアフターケアを担うシステムと連携しながら、一つひとつの製品の細かい条件によって、有償修理/無償修理を判別していました。製品のラインナップが増えたり、修理の規約の変更に対応するために、システムのアップデートを重ねていたのです。

顧客の要望に100%応えることが正解ではない。3年目に任せられた要件定義で学んだ

コードは全てスクラッチで書いていました。新規開発ではなく、改修作業がメインだったので、既存のプログラムの構成を把握しながら、上手に手を入れていくスキルが身につきました。テスト環境で突然動かなくなったこともありましたが、その原因を探り当てることで、プログラムを検証する能力が向上しましたし、前任のプログラマーの志向を書かれたプログラムから類推するのも楽しかったです。

仕事をしていて嬉しかったのは、自分が開発した機能が想定通りに動いたときです。私は臆病な性格で、ドキドキしながら開発しています。テスト中もずっと不安を感じているから、システムが正しく稼働して、お客様にも納得していただいたときには、安堵の気持ちと大きな達成感を感じていました。

開発チームの中では、私が最も年少だったのですが、3年目から要件定義も任されました。お客様のご要望を直接伺って、先輩SEに助けてもらいながら改修内容を提案していました。要望が多岐に渡った際に、フェーズごとに分ける開発を勧めることで喜んでいただけたこともあります。一方で、お客様の望んでいることが、全て実現できるわけでもないということを学びました。要望を100%叶えられる手法を無理に導入するよりも、70%で止めておいて、その後の改修や運用でカバーする方が効率的なケースもある。そのような進め方も、勉強になりました。

CRM未経験でもOK。エンジニアとしての幅を拡げるために、エヌティ・ソリューションズへ

エンジニアとして成長するために、より幅広い技術力を身につけようと、エヌティ・ソリューションズに転職しました。スクラッチ開発だけはなく、CRMやRPAにも携われることが魅力に感じました。また、開発だけではなく、コンサルタントへのキャリアパスが設けられていたり、教育・研修の講師の道もある。CRM未経験でもOKだったので、一から学ぶつもりで応募しました。

面接の段階では不安もありましたが、事業部長の粟津さんと面接した際に払拭されました。CRMの研修や入社後の育成について、豊富な実績を持っていて、「入社後はきちんと勉強できるから安心してください」と言っていただけました。また、面接ではなく面談のような感じでざっくばらんにお話しできたので、雰囲気の良い会社だと感じて入社を決めたのです。ちなみに面接官の皆さんの服装はスーツではなく、私服でした(笑)。

「Microsoft Dynamics 365 (CRM)」では、ドラッグ・アンド・ドロップだけで、ローコードで構築を完了

入社後は、座学でのCRM研修と並行して、簡単なバッチを作りました。エヌティ・ソリューションズがメインで展開している「Microsoft Dynamics 365 (CRM)」 のシステムへ、取得した名刺のデータを登録するものです。スクラッチ開発と比べても非常に効率的で、「ここまで簡単に開発できるのか!」と衝撃を受けたのを覚えています。前職の開発現場では、コードを書いて一つひとつの設定を行う必要があったのですが、ドラッグ・アンド・ドロップだけで、ローコードで構築を完了。Powointで資料を作成しているような感覚で、意のままに開発できる世界に触れて驚きました。

また、座学の研修では『Microsoft Learn』というトレーニングサイトに助けられました。知識を単にドキュメントで学ぶだけではなく、演習が用意されていて、実際にデータを作ってデモ環境で検証ができます。前職でC#を使っていたので、自分でコードを書いて動かしていました。

先輩のエンジニアが「分からないことがあったら、すぐに聞いて良いよ」と言ってくれていたので、頻繁にチャットなどでやりとりしていました。毎日の朝会でも「疑問点は何かありますか?」と尋ねてくれます。不安無くキャッチアップを重ねることができました。教育体制が非常にしっかりしている会社だと、今でも感じています。

「Dynamics 365 Customer Service」の開発者向けのドキュメント作成を担当

2022年11月に、正式にお客様先でのプロジェクトにジョインしました。「Dynamics 365 Customer Service」に関するドキュメント作成を担当しています。大手SIerがお客様で、その会社のコンサルタントや開発スタッフが「Dynamics 365 Customer Service」への理解を深め、エンドユーザーに高度なソリューションを提供できるようにするためのものです。エヌティ・ソリューションズ側の体制は3名で、他の2名は別プロジェクトを兼務しているので、私がメイン担当として遂行しています。

「Dynamics 365 Customer Service」の各機能やパラメーターの紹介、設定項目や他システムとの連携などについて、まとめている最中です。日本マイクロソフトがオフィシャルに出している資料もあるのですが、詳細な機能や設定まではフォローできていないので、私たちが補完しています。エヌティ・ソリューションズは日本マイクロソフトとのお付き合いが長く、公式のホワイトペーパーも作成しているので、技術力が業界内で高く評価されています。その期待に応えながら、少しでもお客様に貢献できればと思います。

「Dynamics 365 Customer Service」はコールセンターで使われているケースが多いです。電話応答システムとつなげることで応対をサポートしたり、TeamsやLINEなどのチャットツールや、TwitterやFacebookなどSNSとも連携が可能です。あらゆるエンドユーザーとの接点を取り込めるので、顧客対応業務のDXやデジタルマーケティングが進化する中で、今後はより存在感を発揮するでしょう。

スクラッチ開発からCRM開発へとキャリアチェンジ。戸惑いは少ない

扱う領域がCRM全般にわたることもあり、前職での製造業のシステム開発に比べて、開発者としての視野が広くなりました。まだまだ経験不足ですが、お客様のマーケティングやCRM業務をトータルに最適化できるよう、支援をしていきたいと思います。

スクラッチ開発からCRM開発へとキャリアチェンジしましたが、今のところ戸惑いは少ないです。ローコードでの開発が主になりますが、プログラミングのスキルは確実に生きていますね。もちろん、要件定義のスキルはそのまま活用できています。

入社してから、ずっとリモートワークで働いています。オフィスには2〜3回しか出社していません。前職では週に2〜3日出社していましたが、自宅で働く方が集中できている実感はあります。毎日の朝会で先輩がフォローしてくれることもあり、リモート環境であっても不便を感じたことはありません。

「Microsoft Dynamics 365(CRM)」の知識を深めて実戦の経験を積んで、開発者として独り立ちするのが目標です。案件を次々とこなしていく中で、次のキャリアも見えてくると思っています。

プライベートでは演劇を頑張りたいですね。ボイストレーニングを1年くらい習っていて、歌唱力が上達しているのを感じています。通っているボイストレーニングでは、年に1回、発表会を開催しているので、次の舞台でより上達した歌声を披露したいです。

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