中国からの手紙〜8 花火&ドローンショー@長江
みなさまこんにちは。
少し間は空いてしまいましたが、いかがお過ごしでしょうか?
猛暑も季節もいつの間にか過ぎ、過ごしやすくなってきました。
現在こちらは秋のゴールデンウィークのようなタイミングです。9月中旬には中秋のイベント(中秋节)があり、その後10月1日の建国記念日を含んだ国慶節(国庆节)があり、長期休暇となります。今年は建国75周年に当たるようで、様々な祝いのイベントや装飾などが見られます(写真1)。
先日長江の文化アートシーズン(长江文化艺术季)の開幕式で、長江最初の大橋である長江大橋近くの武漢のシンボル的な場所で花火とドローンのショーが行われました。
年越しなどでは個人・公式にも大々的に多数の花火で祝うのがこちらの風習ですが、湖北省を含むいくつかの地域では大気汚染懸念からしばらく花火が規制されていました。今回のイベントで13年ぶりに公式の花火が解禁されたようです。花火鑑賞に適した場所からはドローンショーは少し遠かったのですが、パンダや三峡ダムや75周年記念や龍など長江や中国と関連したトピックの絵柄が3000台を超えるドローンで映し出され、多数の人で賑わっていました。早いタイミングから場所取り合戦が激しく、賑わうというよりは、凝縮されすぎて、身動きが取れない状況でしたが。 (写真2〜6)
国慶節周辺にはいくつかの地域では、より大規模な花火が催される予定のようです。大規模な花火は大気汚染の観点から規制を受けつつある一方、大気汚染への影響が少ないドローンショーは、ここ数年で一気に開催頻度が上がり日常的なものとなりつつあるようです。ドローンショーは一台のコンピューターで数千のドローンを操り、様々な高度な技術が用いられているようです。ドローンショーを最初に行ったのは中国ではないようですが、深圳などではギネスのレコードを意識して今年9月に8000台ほど、その数日後には10,000台を超えるドローンでショーを行ない、いくつかのドローンショーのレジェンド的企業がしのぎを削り、高速にギネス記録を更新し続けているようです(一部は日本のドローンショーの企業も関与したとか)。国慶節のイベントでさらに記録は更新されるのかもしれませんし、近いうちに何か新しいアイデアのパフォーマンスも生まれるかもしれません。WeChat channelなどでいくつかのパフォーマンスを見ましたが、数の多さを最大限生かしたインパクトあるデザイン構成で、内容も未来構想やメッセージ性のあるものも多いように感じました。
昨今の国際関係の複雑化で、ポジティブ面のみを取り上げる事はできないと思いますが、大元の技術や考案は別国であっても、常にレコードを意識して様々な難しい技の実装に挑戦し、観光地では何でも何らかの特性を何かのタイトル取得につなげ、自国の強さのアピールパフォーマンスに相当の投資を行い、様々な困難を何らかのメリット・イメージ戦略に最大限繋げようとする方向はとても強いと色々な節で感じます。
大量すぎる人が広場や道や駅に溢れるのを見て、帰宅は次の日の朝かと思いきや、地下鉄は電車がつながる位の頻度まで増やされ、数時間で通常に戻っているのは驚きでした(写真7)。イレギュラーな事態の対応の速さも特徴の一つと感じます。この日の一日の地下鉄利用者は春節の時を超えたとか。
<次号に続く〜>