中国からの手紙〜9 無人運転タクシー@中国
皆様こんにちは。いかがお過ごしでしょうか?
早いものでもうすぐ11月。秋らしくなって参りました。こちらも少しずつ葉が色づきつつあります。山の方では紅葉の見頃の真っ盛りのようです。
最近、米国でいくつかの企業が無人運転タクシーを公開し、注目を集めていました。
米国では完全自動のロボタクシーも一部の地域で一般市道を走行し、実用化も進みつつあり、自動運転技術は世界的に関心が高まっているようです。 中国の状況はどのようになっているのでしょうか?
今回は、完全に無人で一般道路を走る無人運転タクシー(无人驾驶出
租车)を紹介したいと思います。
中国も自動運転技術の開発に非常に力を入れており、ここ数年で急激に成長してきました。いくつかの重要なスタートアップがあり、その中のいくつかは大企業のバックアップを受けています。また、政府も開発や普及を支援するさまざまな施策を講じており、開発環境は整っていると言えるでしょう。
主要なスタートアップの一つに「萝卜快跑」(luobo kuaipao、直訳すると「大根疾走」の意味)があります。これまでは、乗務員を乗せた自動運転の試験運転が各都市で行われてきました。最近、武漢では乗務員を乗せない完全な無人運転(レベル4)が始まりました。
走行区域はまだ限定的ですが、一般の車両と共に道路を走行します。武漢が完全無人運転のフィールド試験の最初の場所に選ばれた理由としては、都市部の整備された道路から、開発が進んでいない地域、複雑な立体交差や橋、渋滞など多様な道路状況が含まれていることが挙げられます。また、陸水とも交通の要所であり、科学技術の開発と実装の中心地の一つでもあることも背景にあります。
無人運転タクシーの呼び出しには専用のアプリが使われます。タクシーが来ると、電話番号の一部の桁を窓ガラス上のパッドに入力して本人確認を行い、車内のモニターの出発ボタンを押せば出発です。本当にドライバーが運転しているのかと思うほど(もしくはそれ以上に)、安定した走行でした
(写真1、2)。
側から見ても、信号や車線変更などの様々な操作でも、一般の車の走行に完全に溶け込んでいました(写真3、4)。
現在の道路は一般車がメインで他の車の危険運転も多い状況なので、ロボットによる走行はハードルも多いと思いますが、自動運転車の方が多くなればより走りやすくなると思われます。
近い将来、これらの無人運転タクシーが一般のタクシーに取って代わり、これに関連した新たなサービスも生まれるのでしょう。移動や運転、さらには車の概念自体が変わるようなイノベーションも近いうちに実現化するのでしょう。湖北省には、産業と学術が連携したいくつかの技術開発重点地域があり、自動車の自動運転だけでなく、より環境志向で便利な技術開発・実装の方向でさまざまな試みが日々行われています。
<2024/10/29>
<次号に続く〜>