中国からの手紙〜6 春:樱花海
大家好。
もうすぐ梅雨の季節ですね。こちらは色々な花で溢れています。
今回は桜について書こうと思います。
桜は主に日本のみなのかと思っていましたが、こちらに来て桜に溢れる光景に少し驚きました。桜は北半球に広範に生息する樹木のようで、大陸側でも広く見られるようです。中国では樱花と呼ばれています。様々な種があるようですが、この周辺ではピンクの色が濃く八重で雰囲気が豪華なものが多いように感じます。以前、日本軍が残したソメイヨシノも多数見られ、桜の名所として知られる場所がいくつかあります。
大学のキャンパス(写真1)でも、一般の道や周辺の公園でも「很漂亮(非常に綺麗)」な桜が見られますが、武汉大学や东湖(写真2)などは桜の名所として全国的にも著名で、膨大な数の人が桜目当てで集まり、週末は道路が渋滞で動けなくなります。
世代関係なくセルフィーを撮るのがとても好きな人が多く、美しい汉服(漢民族の伝統衣装)やドレスを着たり、木の枝の高さに自分を近づけるためのミニはしごや凝った撮影小物・小道具を持ち込んでビデオ撮影や直播(ライブ配信)をしている人も多く見られます。公園側も宣伝効果を期待しているようで撮影に協力的で、SNSで火爆了(バズるのようなイメージのスラング)しそうな風景を意識していたり、色々なオブジェも置いてあったりします。
公共の場での撮影が恥ずかしいとかの感覚はあまりないようで、皆とても堂々とモデルのように作品撮影に専念し、満足いくまで何度も撮り直し、近年の編集技術をフル活用してプロのような作品を作っているようです。WeChat channelなどにも凝った「很厉害」(とても素晴らしい)な作品が多数投稿されており、動画編集技術の凄さや、写真よりも動画の時代なのだなとかとも感じます。
桜の数も数本というより一面広い範囲が桜で覆われているような感じで、空からの風景は圧巻です(日本の桜の名所もこのような感じなのでしょうか。私はあまり行ったことがないのでわからないで比較はできませんが)。
一面を花が覆う様子を文字通り「花海」と呼ぶようで、春は色々な花海が見られます。桜は観光の目玉としてフルに使われているようで、昼だけでなく夜も光による豪華絢爛な演出がなされ、多数の人で賑わいます(写真3)。プロジェクションマッピングなども行われており、桜を素材にしたショーという感じです。また、入園のチケットはQRコードで入手します(写真4)。