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結婚しても名字で呼び合おうね、が嬉しかった

社会人1年目の時に仲良くなった友だちが結婚した。いうて1年前ぐらいの話なんだけど。ただ、LINEの名前がつい最近変わった。名前だけだった表記が、相手の名字+彼女の名前になった。

お~変わった。いや、現代日本だとこうなる(要は男性の姓になる)のが主流で、いつかはそれを目にすることになるだろうと思っていたけど、なるほどなあと思った。私の中では、彼女はいつでも「タカモト(仮名・彼女の旧姓)ちゃん」だったから。

初めましての時はおずおずと名字で呼び合っていた私たちだけど、仲良くなってからは堂々と、名字で、呼び合っていた。親しくなると名前で呼びがちだと思うけど、何故か彼女だけはお互い名字で呼び合っていた。それに慣れていた。彼女が結婚してからもそう。今でもそう。

けどいざ名字が変わったのを見て、私はちょっと考えた。呼び方を変えたほうがいいのか?下の名前で呼ぶ?うーん今更だなあ。

そこで率直に言った。「LINEに名字つけたんだね」と。「うん、つけた!」というような返信がきたあと「けどなつぺぃさんは呼び方変えなくていいよ!」「てか、なつぺぃさんが結婚しても、私名字で呼ぶ!」と返ってきた。

その言葉がキラッと光って見えて、心臓がぎゅっとした。ぶわっと身体が浮き上がる。

夫婦別姓が選べない今、私の姓は相手の姓に変わる可能性が高い。(私が結婚するまでに夫婦別姓を選べるようになってくれたら良いな!)自分の名字がすっごい好き!というわけではないけど、生まれた時から一緒にいたものがなくなってしまう寂しさが、少しある。別人になってしまう感覚が、少しある。

だけど彼女は私の名字を呼び続けてくれると言う。消えてしまうその名を。私はそれを嬉しく思った。彼女の前では誰かの妻である私じゃなくて、私でいることができるんだよね。彼女も結婚して名字が変わったけれども、他は何も変わらないのだ。顔をのぞかせていた寂しさが、頭を引っ込めた。

じゃあ私もこれからも名字呼びね!ということでこの話は締めくくった。そこから他愛のない話へと続いていく。それがただただ嬉しくて、愛おしかった。

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