やっと髪型と私が一致した
昨年12月、佐藤友美さんの「女は、髪と、生きていく」を読み、髪形をガラッと変えた。
書籍では「髪形で印象を変えることができる」とあったので、まずはなりたい自分を考えた結果、「クールで大人っぽい、いや強そうな女になりたい。舐められないために」と決め、美容室でそのように告げたところ前下がりボブになった。ロングからの大変身。会社の人には「大人っぽくなった」と言われた。大満足だった。
それから半年。縮毛矯正がとれかかり、うねうねとしてきた髪にうんざりした私は美容室の予約を秒速できめた。せっかくだから髪も切ってもらおう。整えるだじゃなくて、そうだな、快活な、明るい私に見られるような髪形に、と考えながら「あっ」と声が漏れた。
半年前との違いに驚いた。私もう演じなくてよくなったんだ。
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大人っぽい自分には強い憧れがあった。加えて、業務上なめられないようにしないとと思っていた。言ってしまうとすでになめられていたので、それに腹が立っていた私は何が何でも大人っぽくなりたかった。それで中身が大人になるわけじゃないし、一度なめてきた相手の態度が変わるわけでもなかったけど、見た目だけでも変えたかった。少なくとも、これ以上他の人に舐められないように、という強い意識はあったと思う。
だけどそこには私自身の中身との大きなずれがあった。私は自分のことを天真爛漫だと思っているのだけど、そこから遠く離れたクールな大人っぽい見た目を作った。なんだか噛み合わないけど、当時はそれでいいと思っていた。大人っぽい自分になれるのであれば、と。
そうこうして、6月に転職をした。想像以上に安心できる場所で、素でいれる場所だった。転職前よりも笑う回数も増えたし、言葉遣いも気を遣わない。なめられないように、強い女であろうという壁はするりと溶けた。私のまんまでいいんだ!大人っぽい自分も好きだったけど、天真爛漫な自分のほうがもっと好き!ということで冒頭に戻る。
あの時のズレは、きっと身を置く環境が合ってないよってことだったのかもしれない。私は環境を変えて、自分を取り戻した。
私は快活な女になって夏を過ごすんだ!ということでこうなった。
髪はショートボブ。髪色明るめ。外ハネさせたいと言ったら希望をかなえてくれた。最高。