保安検査場に吸い込まれる父の背中を見て泣く
6月27日 30まであと42日
出張で東京に来ていた父を見送りに空港へ。
父に対する反抗期は、一度もなかった。むしろずっとすごい好きだった。思春期の女の子はお父さんのことを嫌いになりがち、という通説があるが、私はガン無視で今日まできた。優しいところとか(昔は怒鳴ったりしてたけど、めちゃくちゃ丸くなったな)、寡黙なところとか、愛されているなと思える気遣いとか。父を想うと涙が出そうになるくらいに好き。
本当はずっと一緒にいたいくらいに。
けどどうしても私は東京から離れがたいし、地元はあまりにもなにもないし、実家には帰れない。パパ、ごめんね。
さて、今日ドキドキしながら父に会った。というのも、コロナウィルスを私が持っていない保証がない。若いから発症してないだけで、もしかしたらウィルスを持っている可能性もある。それが父にうつったら。60代で元ヘビースモーカーの父は、重症化するんじゃないかって不安になる。
ああ、嫌な妄想しちゃうな。ありえないと信じてるけど。
ひとつぶの不安と、父に会えた喜びでまぜこぜになったまま、私は保安検査場に向かって大きく手を振った。姿が小さくなるまで見守って、小さくなった父はいつまでも私の様子をうかがっては手を振り返してくれた。私が東京へ帰るとき、いつもそうしてくれているように。
寂しいな。寂しい。いつだってこの瞬間は寂しい。この日記書きながらもぽろぽろ泣いてる。
パパ、どうか長生きしてね。お酒飲みすぎちゃだめだよ。
最後に。
結婚はいいよって言ったパパへ。
ごめんね、結婚はしたくてたまらない人がいるんだけど、その予定もなくて。結婚はしてないけど、とても大切で、パパのように愛する人はいるんだよ。ほんとは言おうかと思ったんだけど、やっぱりまだ秘密にしておくね。