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[読書メモ]やっと気づいた自分の本音。『もっと可愛いままで億ガール』

その日はずっともやもやしていた。楽しいことがわからなくなっていて、虚無感でいっぱいで、やりたいこともわからなくて、なんだか自暴自棄になっていた。狂いそうな私は本屋に駆け込んだ。

本は私の人生を助けてくれる。

恵比寿の有隣堂の広い店内をふらふらさまよった。有隣堂には女性の背を押してくれる本がまとまっている棚があるのだが、そこでふと目に飛び込んできたのが「もっと可愛いままで億ガール」だった。

普段こういう、こう、ストレートにいうと「キラキラした」本は避けていた。私は自分自身のことを「ガール」と呼べないし、「可愛い」というワードは似つかわしくないと思っていたからだ。少なくとも私は「可愛い」とくくれるタイプの人間ではない(自分で言うのもなんだが、どっちかというと「クール」な顔立ち)

今回もスルーしようとしたのだが、本の前で足が止まってしまった。いやいや、とその棚の前を通り過ぎた後、ぐるっと回ってまた戻ってきて、そして手に取ってレジへと向かっていた。直感的に、今の私に必要なのは、この本な気がした。

いやあ、もうそうれはそれはキラッキラしていた。おしゃれな服を身にまとい、高級なものを身に着け、きらめく笑顔が美しく……。ああ、私と天と地の差がある人だ、と恐れおののいた。なんてこった。なんで私、この本を手に取ったんだ。いやまあ「億」というワードに惹かれたというのはあるんだけど。年収数百万の私が読んでいい本じゃなかったのかもしれない、そう思いながらもページをめくっていく。

だけど、読み終わる頃には、そんなハードルは消え去っていた。この本は全ての人(ただどちらかというと女性向きかも)にオープンだった。常に「あなたはどうしたい?」と問いかけてくれて、「私はこうしたよ」と優しく教えてくれる。「一緒にワクワクしよう」と手を差し伸べてくれる。チャレンジを足踏みしていた私に「叶わなくても満たされてるマインドでいいじゃん」と励ましてくれる。
そうやって投げかけられる言葉を受け止めて、あ、自分を許していいんだと思った。

キラキラしちゃだめなんだと思っていた。可愛くない自分が、美しいものや愛らしいものに憧れを抱いてはいけないものだと思い込んでいた。
多分心のどこかでキラキラした、誰かに憧れられるような人生を送りたいと思っていたんだ。なのに、私は気づかないよう蓋をした。勝手に、「資格がない」と封じ込めた。

自分を許してあげよう。どんな自分になってもいいし、それを咎めたり馬鹿にする人なんていない。いても無視していい。

その後気が付いたのだけど、今年に入ってからずっともやもやが止まらなかったのは、「こうあるべき」で自分をガチガチに縛っていたからだった。おかげで「本当にやりたいこと」すらわからなくなっていた。今は、少しずつそれをほぐす作業をしてあげている。やりたいことノートに書いて、それで心が躍ったら本当にやりたいこと。踊らなかったら別にやらなくていいこと。少しずつ、自分を解放する儀式。
いまだに「べき」に縛られてしまうところがあるけど、年始よりかは心がましになってきたと思う。

購入して3ヵ月ほど経ったが、いまだにふとした瞬間に読み返す。億ガールまでは程遠いが、億ガールマインドで生きていきたい。


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