偶像に対する感情に間違いはないんだって信じたい話

自他共にアイドル好きを公言する私が先日経験したことです。先日と言っても何ヶ月も前の話ですが、なんか書きたくなったので書きます。

私の好きなアイドルが、ちょっといろいろありました。現状、表舞台に立てなくなりました。これからどうなるかわかりませんが、現状は。

すごくショックでした。そんなことする人じゃないって思ってたから。すごくメンバー思いで、年下メンバーたちを男らしくかばう、骨太な男でした。反面、繊細さが垣間見えるところもある、人間らしい人でした。そんな繊細さが露呈して、崩れ落ちた結果が、この現状でした。

数日間落ち込んだんです。それこそ、その出来事を知った日は、「しのう」ぐらいに思ったほどに。なんか、どうしたらいいかわからなかった。考えれば考える程絶望しか見えなくて。いや、私はなにも出来ないんだけど。ちょっとしたパニックに陥ってました。その日は別のドルヲタの友人に電話して、話し聞いてもらって、なんとか落ち着きましたけど。

で、数日経って、このことを別の友人(非ドルヲタ)に話したんです。

そしたらね。

笑われたんです。大爆笑。

こちとら再びパニックです。何故。

友人は言います。
「全然関わったことない人なのに、身近な人の話みたいに話すんだもん」

???????????

これって、そんなにおかしいことなんだろうか?と引っかかりながらも話題は流れていきます。結局わかれた後もぐるぐると思考は巡り、誰かに意見をもらおうと、あるコミュニケーションアプリでこんな質問をしてみました。(知恵袋ではない)

アイドルは違う世界の人間だけど、応援してたら自分の一部になるし、感情移入もしちゃう。これは普通のことじゃないの?

そんな疑問の、私的ベストアンサーがこちら

「アイドルへの気持ち」と「身近な誰かへの気持ち」の間には絶望的な隔たりがある。前者は(ほとんどの場合)一方通行。(中略)対して、身近な誰かへの感情は一般的には双方向に影響しあうので、お互いにとって影響が強く意味がある。
アイドルヲタクがアイドルに一生懸命いろんな感情を覚えることは否定しないけど、アイドルへの情熱が身近な人との感情コミュニケーションと同一のように語ってしまうと「現実を客観視できないんだな」と思われてしまうことは避けがたい。

この意見に、たしかに私は深く頷いたんです。だけど、納得いかなかった。アイドルとファンの間には、互いを思いやる、疎通できる思いがあるって。ファンあってのアイドル、アイドルあってのファン。応援を生きがいに頑張るアイドル、応援を生きがいに頑張るファン。

住む世界が全く違うことぐらいわかってる。アイドルとしての側面しか見れていないこともわかってる。私達がアイドルを見て描くのは、勝手な偶像の姿だ。だけど、そんな偶像だってその人の一部だって、信じてもいいじゃないか。間違いなくその人なんだから。それで私が明日も生きていけるならそれでいい。

たまに住んでる世界すら一緒くたに考えてしまう人もいるけど、その線びきができなくなった瞬間に「自分」が崩れていくものだと私は思っている。本当に好きなら、互いの生活を大切にしなくちゃダメだ。韓国には「サセン」という、アイドルに迷惑をかける恐ろしいタイプの人間がいるけど、アイドルの生活を脅かしてまで手にしたいものは何なんだと思う。アイドルに「結婚するな!」って言う人も多いけど、アイドルが結婚したいって言うならさせてあげようよって思う。アイドルの幸せを奪ってまでする応援は、応援って言えないという信念のもとここまできた。

そう、一応線びきはできていると思ってたんです。友人に笑われるまでは。だけど、私も曖昧な世界線の上で生きているんだってことに、そこで初めて気がついた。やっぱり、ヲタクって愚かな生き物だと思う。

だけど、ベストアンサーには続きがあったんです。

だからといって、その一方通行の感情が、無意味なものだとは思わない。ファンにとって、アイドルへの思いはそれだけ「価値のある感情」なんですよね。
価値を正しく理解するためにも、区別は必要だと思います。
アイドルとの出会いが人生を変えてくれて、エネルギーをくれて、人生の力になっているなら、それは素晴らしいことだと思います。

この言葉で、私の胸のつかえがストンと落ちました。「価値のある感情」と認めてもらえるだけで、十分すぎるほどだった。私の感情は無駄ではない。笑われて終わるような感情じゃない。ただ、話す人を間違えた。

私のこの感情を理解できない人間がいる。逆に、私が理解できない感情を持っている人間もいる。互いの価値観や概念のズレのせいで、どこかで傷ついてしまう人間もいるということを頭の片隅でいいから置いといて欲しい。

長々書いたけど、今回一番言いたかったことは、「わかってもらえなくとも、否定はしないで欲しい」ということ分かる人だけにわかってもらえればいいし、これからはわかってもらえなさそうな人には話さないって決めた。わけわかんない、って思った人は冷たく読み流していただいてかまわない。

ちなみに、つい最近知ったことなのですが、人間は「平面の人間と立体の人間を区別できない」らしいです。例えばテレビで不倫した人の報道を見て叩く人いるけど、その不倫した人は私たちにとって「身近な人じゃない」のに「友だちのこと」であるかのように叩いたりするでしょう?
ドルヲタはそれの極端な例なのかなって思ったりしました。応援したくなる人生を描いて、共感させて、取り込んでいく。きっとアイドルとファンは今日も共鳴して生きていく。私にはアイドルが必要で、アイドルにも私達が必要だという感情は、間違ってないって信じて生きていく。

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